スペイン紀行(後編)
2017/02/02
スペイン観光のハイライト、アンダルシア地方へ
灼熱の太陽、ほとばしる情熱――セビーリャ
午後、セビーリャへ。人口70万のスペイン第4の都市。オペラ「カルメン」や「セビリヤの理髪師」「フィガロの結婚」などの舞台となった街。バレンシアの火祭りでも知られる。広大な宮殿、スペイン1、世界でも3番目の規模を誇るカテドラル(大聖堂)、インディアス古文書館、ヒラルダの塔などどれもすばらしい。旧ユダヤ人街などを巡り、7時過ぎコルドバの国営ホテル(パラドール)へ。中世の城、貴族の館、修道院など歴史的建造物を利用したホテルで、スペイン全土に88ヶ所ある。部屋も豪華、眺めも食事もすばらしい。
二つの宗教が息づく、コルドバのメスキータ
6日目。朝食後パラドールの庭園を散策。オレンジの花が芳香を放ち、寒いくらい。快晴が続く。785年に建てられたイスラム教寺院のメスキータを観光。巨大なモスクには数万人収容できる。13世紀のキリスト教統治時代に内部にカテドラル(大聖堂)が造られ、イスラム教とキリスト教が共存する。
ドン・キホーテの旅籠という名のレストランで昼食。建物や馬車にはこれぞスペインといった風情がある。 乾いた大地ラ・マンチャ地方へ。青い空に白い風車群、赤土の大地とのコントラストが美しい。
古都トレドで中世の街を歩く
夕方トレドへ。マドリッドに遷都する16世紀まで首都として栄えた。タホ川を隔てて見る街の全景は圧巻。28ミリの広角レンズでも入りきらない。もしスペイン滞在が1日だけならトレドへ行けと言われる。ホテルはアルカサル(城)の隣、旧市街地の中心部近く。この日の夕方と翌朝、中世がそのまま残る迷路のような狭い石畳の路を地図をたよりに歩く。朝市や人々の生活を垣間見ながらの街歩きは旅の醍醐味でもある。名物の菓子(マザパン)をほおばりながら街ゆく人々を眺めるのも楽しい。
午後、マドリッドへ。プラド美術館に入場。スペインに住んで36年、現地女性と結婚したという日本人ガイドの案内で世界三大名画の1つベラスケスの「ラス・メニーナス」を鑑賞。時価1500億円。これで三大名画は「モナリザ」、レンブラントの「夜警」ともすべて現地美術館で観ることができた。(モナリザの代わりにエル・グレコのオルガス伯爵の埋葬をあげる人もいる)。その他ゴヤやエル・グレコを鑑賞。隣の国立ソフィア王妃芸術センターでは、ピカソの「ゲルニカ」を観る。
マロニエの花ゆれるマドリッド旧市街
8日目。標高650mの高地にあるマドリッドの朝晩は寒く、出勤する人々には冬のコート姿が多い。半日の市内観光へ。大都市マドリッドだが、見どころの多くは旧市街を中心とした地域に集中していて、旅行者には歩き易いコンパクトな街である。世界一街路樹の多い街でもある。因みに2位はパリ、3位は東京。マロニエの白い小さな花が満開。春にはアマポーラ(赤いひなげし)が美しく、これから2週間もするとジャカランタの紫の花が満開になる。
ドン・キホーテ像が建つスペイン広場から、2800の部屋を持ち世界4位の大きさの王宮、下町情緒いっぱいのマヨール広場、コスタ・デル・ソル(太陽の門広場)、サン・ミゲル市場ではスペインの居酒屋(バル)などを巡る。街角で追手から必死の形相で逃げる少年少女を見る。ルーマニア移民のスリ。
古代ローマの水道橋に感動!
午後4時、セゴビアへ。1800年前のローマ時代に造られた高さ29m、長さ700mの水道橋。地震がなく築造当時のまま残る。真下に立って見上げる巨大な石造りの橋には圧倒される。上から眺める700mの長大さにも感動。念願が叶った!!