春のイギリス紀行(下)
2017/04/19
シェイクスピアと妻の生家を見学
5日目、シェイクスピアの生まれた町、ストラトフォード・アポン・エイヴォンへ。テューダ朝建築を代表する茅葺屋根のアン・ハザウェイの家は、彼の妻が結婚する前に住んでいた。庭にはケシ、ルピナス、オダマキなどたくさんの花々が咲き乱れている。シェイクスピアの生家には当時の生活の様子が再現されている。かなり裕福だったことがうかがえる。
◆アン・ハザウェイの家
30年の年月をかけて造られた英国式庭園
午後訪れたヒドコート・マナーガーデンは、20世紀を代表する最も美しいイングリッシュガーデンの一つ。四季折々の花が楽しめる。春は、水仙、アネモネ、アジサイ、つつじなどが咲く。名を知らぬ花も多い。花々や造作のレイアウト、色彩の妙に魅了される。
憧れのマナーハウスに泊まる
6日目、朝食のメニューはどこも全く同じでうんざりだが、広大な庭園の食後の散策は心地よい。
ウッドストックのブレナム宮殿へ。チャーチル元首相が生まれた宮殿。18世紀初めのスペイン継承戦争の功で、ジョン・チャーチル侯爵がアン王女から贈られた。広大で豪華な宮殿。今もチャーチル侯爵が住む。
昼食のトリと野菜の煮込みがなかなか美味しい。レストランではアルコール類はBARに買いに行かなければならず、何とも面倒。
午後、コッツウォルズの村、ボートン・オン・ザ・ウォーターへ。ウィンドラッシュ川の畔の小さな町。川と橋と街並みがマッチした景色が美しい。素朴な村を想像していたが、土産物屋が多く観光地化していて落胆する。
◆ボート・オン・ザ・ウォーター
14世紀の街並みが残るバイブリー
詩人ウィリアム・モリスが英国で最も美しい村と称えたバイブリーへ。14世紀に、蜂蜜色の石灰岩で造られた街並みアーリントンローは絵本から抜け出したよう。低い屋根と切妻壁の家並みはコッツウォルズを象徴している。1650年築の古い石造りの家が並ぶ。草花の美しい庭の家も。これぞコッツウォルズの村。いかにも英国らしい雰囲気を漂わせた情緒ある村に満足。パイの前菜、ポークのメイン、白ワインも美味しく夕食にも満足。
◆バイブリーの街並み・・・石灰岩ライムストーンで造られた蜂蜜色の建物が並ぶ
世界で最も美しい集合住宅「ロイヤル・クレッセント」
7日目、18世紀後半に建てられたロイヤル・クレッセントへ。三日月のようにきれいな曲線を描いた建物が並んでいる。世界で一番美しい集合住宅といわれ、今はホテルや住宅として使われている。
ローマ時代に温泉の町として栄えたバースへ。紀元前1世紀にローマ人によって建てられた大浴場。温泉の効力が神の力と考えられ、知恵と戦いの女神ミネルヴァ神の神殿がある。公共浴場とプールが残る。たくさんの観光客で賑わう。広大で見て回るにはかなりの時間がいる。フィッシュ&チップスの昼食。
大草原を走り、世界遺産ストーンヘンジへ。日本語のオーディオガイドを聞きながら一周する。紀元前3000年頃造られたた巨大な石柱が並ぶ謎の建造物。高い石で7.3mある。中学生の団体などで混み合っている。2日前から一眼レフのズームが故障して思うような写真が撮れない。
ロンドンでは歴史的な週末に立ち会う
夕方、ロンドンのピカデリーサーカス着。エリザベス女王戴冠60周年記念行事の関連であちこち通行止めとなり大渋滞。
観光最終日午前は、市内観光。6月3日の戴冠記念日の日曜日にはテムズ川に1000艘の船が集まり、ロンドンの橋はすべてクローズ。土日月火と4連休となる歴史的な週末。
世界の文明遺産を展示――大英博物館
ヴィクトリア女王の在位64年に迫る。バッキンガム宮殿、ウエストミンスター寺院、ビッグベン、トラファルガー広場などを観光し、大英博物館へ。渋滞で到着が遅れ、楽しみにしていた博物館の見学は40数分のみ。お目当てのロゼッタストーンも大勢の人の肩越しにほんの少し見ただけで終わる。何とも残念。読めないまでもヒエログリフ(古代エジプトの神聖文字)、デモティック(民衆文字)、ギリシャ文字の3つの碑文をゆっくり比較して見たかった。
◆常設展示品15万点を誇る世界最大の博物館の一つ
午後、ウインザー城へ。豪華な城内、残念ながら写真はダメ。広大で駆け足で巡る。
◆900年以上に及ぶ英国王室の歴史が刻まれた居城 女王が休日を過ごすことも多い
ホテルへの帰路、家々の庭には色とりどりのバラが咲いていた。ホテルの部屋で、BBCテレビのエリザベス女王60周年記念番組を見る。英国でなければ見られない。
10日間駆け足で巡ったイギリスは、豊かな自然に恵まれた美しい国だった。