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ドクター順子の人生処方箋 Vol.5

      2017/04/21

 

 前回は下半身の話題に触れてみましたが、さてさて、同窓生の反応は??
少なくとも男性の方々の中には秘かにときめきを感じられた方もいらっしゃるようですが・・・
 でも、HPのタイトル横にR+18というのが書き入れられているのを見ると、客観的にはきわどい内容なのか?と、少し考えさせられています。ということで、今回は一気に下へ?ではなく、一気に上へ登って脳の話をしてみたいと思います。

 

よつば2

 「海馬」を刺激すると記憶力アップ

 皆さん、「海馬(カイバ)」という言葉を聞いたことがありますか? 脳の大部分を占める大脳皮質の下にあってバゲット状に細長く横たわっている脳が「海馬」です。
海馬というのは、海の中に生息し、その形が日本列島の形に似ている、‘タツノオトシゴ‘、も別名、海馬と呼ばれますが、脳の「海馬」という名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる海の神・ポセイドンが乗る空想上の怪獣、これがオランダ語ではZeepaard(zee:海、paard:馬)と呼ばれ、この怪獣の前脚に似ていることから来たようです。ちなみに、英語ではHippocampusです。

 名付けられてから約500年の間は「海馬」の役割は全く分からなかったようですが、1970年代頃からでしょうか、記憶機能に密接に関係していることが判明しました。海馬の神経細胞は高頻度で何度も刺激されると神経細胞のネットワークが非常に効率よく働くようになるということが発見され、これが記憶の基になる現象として確証されたのです。実は私も現役時代には、記憶とは脳の中のどういう現象?ということで、記憶機序について研究していたことがあり、その目的でモルモットやラットをどれだけの数、犠牲にしたことか・・・  改めて合掌の思いです。

 

よつば2

 エピソード記憶を担う「海馬」

 「海馬」は「大脳辺縁系」と呼ばれる脳の一部として、本能的欲望(本能欲)や本能行動を命令し、そのコントロールも行っているところですが、食欲や性欲といった本能欲に必須な感覚が嗅覚です。そして、その嗅覚を感覚として捉えるには脳の「海馬」の働きが重要になってきます。すなわち、 ‘におい’を発する物質が鼻から入り、鼻腔→嗅細胞→嗅神経→海馬→大脳皮質・嗅覚野と伝わった結果、‘におい’を感じることになります。 いわゆる五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚)の中では、本能欲に密接に関係している嗅覚だけが「海馬」を通って大脳皮質へ伝わるというわけです。
 加えて、「海馬」は記憶と関係深いところです。アルツハイマー型認知症では、「海馬」が委縮して正常に働かなくなった結果、エピソード記憶の障害が起こるといわれています。エピソード記憶というのは言葉や過去の出来事といったエピソード(出来事)の記憶であり、技術や習慣などの非陳述記憶とは区別されたものですが、このエピソード記憶を担っているのが「海馬」なのです。
 前段階が少々学問的で長くなりましたが、今日のテーマの‘におい’の話に移ります。

 

よつば2

 嗅覚を鍛えることが“ボケ防止”に有効

 先日の朝日新聞に、‘におい’について興味ある話が出ていました。その内容は、アルツハイマー型認知症の患者さんでは、物忘れが起こる前に‘におい’が分からなくなることが多く、脳の委縮より前に嗅覚障害、すなわち、鼻の奥にある嗅細胞が正常に働かなくなっているのではないか、そして嗅細胞の再生力を利用して、‘におい’刺激で嗅細胞の働きを復活させ、海馬の神経細胞の働きを良くすれば、結果として認知機能の改善を行うことができるのではないかという内容のものですが、実際に鳥取大学医学部浦上教授によってアロマテラピーが行われ、その結果、 ‘におい’刺激で認知機能改善や認知症予防が見られたことが報告されていました。

 このことを考えると、認知症になっていなくても、においを日常的に取り入れることによって嗅覚を鍛えていれば、海馬の活性化に繋がることは間違いなさそうで、記憶機能の促進やボケ防止には大いに効果があることが期待されます。

 

よつば2

 香りをもっと愉しむ食生活を!

 私は個人的にはいわゆる、アロマオイルというのはあまり好きではないのですが、におい刺激によって嗅細胞・嗅神経を刺激すれば良いのであって、においの種類にはこだわらなくても自分の好みの‘におい’で刺激すれば良いのではないでしょうか。

 私だったら生花や果実のにおい(香り)、ゆずや山椒、紫蘇、バジルといった香辛料のにおい、かば焼きや焼き鳥のにおい、などなど。今の季節だったら‘うど’や‘ふき’、‘タラの芽’といった春野菜も結構よさそうですし、そうそう、日本酒やウィスキー、ワインなどのアルコールの香りも効果ありそうですね。一気に食べたり飲んだりしないで、香りを楽しみながら飲食する癖をつけたいものです。

 また、自分なりに日常的に積極的に‘におい’刺激を取り入れて「海馬」を活性化することに加えて、特に、自分の好みのにおい、自分にとって快適なにおいは唾液や胃液の分泌も促進させますので食欲増進にも繋がりますし、‘食べ物を噛む’ということ自体が実は脳活性化に非常に効果があることなのです。食べ物を‘よく噛む’、‘何回も噛む’ということ、絶対にお勧めします!

 

よつば2

 ガムを2分間噛むだけでも脳が活性化される

 ‘よく噛む’ことによって「海馬」はもちろんのこと、ちょうどオデコの下にあって、意志や思考、学習などの高次機能や先ほどの技術・習慣といった非陳述記憶に関係する脳、「前頭葉」も物理的に同時に刺激されますので、脳全体が活性化されて認知機能や記憶機能の改善、ボケ防止として大いに効果があります。事実、ガムを2分間噛むだけでも海馬の活性化がおこるとか! 「歳とって歯がダメになったよ」というあなた、顎を動かすだけでもいいから噛み続けましょう!
ついでながら、食べ物を‘よく噛む’ということは唾液の分泌促進に繋がり、それによって脳の「視床下部」にある満腹中枢が刺激されて、‘もうお腹いっぱいになったから食べることを止めなさい’という命令を出しますので、必然的にダイエットにもなるんですよ。いい事ずくめですね。

 今回のキーワード:日常的に嗅覚を鍛え、良く噛んで食べ、記憶機能を改善!

 追記ですが、ヒトも‘フェロモン’を分泌し、無意識下にそのフェロモンを感じていることをご存知でしょうか。ということは、異性の‘におい’というのも脳活性化に効果あるかもしれませんね!?
でも、今回はこの話を展開させることは止めにします。

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