春のイギリス紀行(上)

      2017/04/19

 

 1991年夏、家族4人揃って初めての海外旅行で訪れた思い出の国イギリス。2012年5月下旬、花の季節に妻と二人2度目の訪問を果たした。

 乗り継ぎ地オランダで、空港から列車で16分のアムステルダム市街地へ。東京駅のモデルとなった中央駅は補修されて見違える。懐かしい運河の街を巡る。快晴でノースリーブの人もいる。

北のアテネと謳われるエディンバラ

 スコットランドの首都エディンバラに夜遅く到着。北のアテネと呼ばれる美しい街。エディンバラ城からホリルード宮殿まで続く1マイルの道、ロイヤルマイルには様々な商店やレストラン、パブが並ぶ。その中ほどに建つ聖ジャイルズ大聖堂へ。王冠の形をした屋根が印象的なゴシック様式の教会。

◆エディンバラ市内

◆荘厳な雰囲気に包まれた大聖堂内部

◆冠尖塔が特徴の聖ジャイルズ大聖堂

◆ネオゴシック様式のシスル礼拝堂

◆丘の上のエディンバラ城

◆エディンバラ城からの眺め

 スコティッシュ・サーモンの昼食後、中世の街並みを散策。国立スコットランド美術館で多数の名画を無料で鑑賞。ダ・ヴィンチ、ラファエロ、レンブラント、ルーベンス、ボッティチェリ、ファン・ダイク、ヤン・ステーン、ゴッホ、モネ、モリゾ、セザンヌ、ゴーギャン、シスレー、ピサロ…素晴らしい作品が並び言葉もない。

◆国立スコットランド美術館

 

 土曜日の午後、広々とした芝生の公園にはたくさんの人々が日光浴を楽しんでいる。丘の上のエディンバラ城はどっしりと聳え迫力がある。ヨーロッパの鉄道の駅舎はどこも個性豊かで旅情をかき立てられる。ヴェイヴァリー駅で、入線する列車を撮る。日が落ちると急に寒くなり上着を羽織る。食卓を囲んでする旅の仲間との語らいは楽しい。

◆バグパイプ

◆エディンバラ城

◆芝生の公園

絵本のような風景が広がる湖水地方

 3日目、エディンバラから230kmのバス移動。なだらかな牧草地に、ころころ太ったたくさんの羊が草を食んでいる。民家が落ち着いた佇まいを見せ、霧に霞んだ幻想的な風景が広がる。少しうとうとするうちに多くの氷河湖が点在する湖水地方に入る。牧場には無数の石を積み上げた柵が山の中腹まで伸びている。シャクナゲが美しい。

 詩人ワーズワースと家族が住んだダブコテージへ。天井が低く、部屋は狭い。石積みの家々、色とりどりの花が咲く庭、イメージどおりの英国がそこにある。

◆詩人ワーズワースが住んだダブコテージ

◆代表作のほとんどがこの家で作られた

◆ダブコテージの庭

◆花に囲まれた家々

 ピーターラビットの作者、ビアトリクスポターの展示館でアトラクションを見る。

 

 緑映えるウィンダミア湖をクルーズ。たくさんの白鳥が優雅に浮かんでいる。絵のように美しい別荘が点在し、湖面を渡る風が心地よい。

◆ウィンダミア湖クルーズ

◆湖畔の別荘

 

 花嫁と婚礼参加者が乗った蒸気機関車にレイクサイド駅から乗り込む。素朴な村々を走り抜ける。窓から煤が飛んでくる。快晴だが湿気があり暑い。
 ビアトリクスポターゆかりの邸宅リンダハウスでミルクティーを楽しむ。ジャムとクリームを塗ったスコーンが美味しい。夜、ウィンダミア湖畔のホテル、湖側の窓を全開にして昼間の暑気を払う。

◆レヴァン渓谷を走る蒸気機関車

◆花嫁さん

 

荒涼とした大平原を舞台に生まれた名作

 4日目、「嵐が丘」、「ジェーン・エア」で知られるブロンテ姉妹のハワースの街へ。果てしなく続く荒野、嵐が丘の世界がそのままに広がる大地。ブロンテ一家が住んでいたジョージ王朝様式の小さな家が博物館になっている。
 一族が眠るパリッシュ教会を見てメインストリートを散策。人口2700人の小さな町。エリザベス女王の戴冠60周年を祝う英国旗の小旗が青空にはためいて、華やいだ雰囲気を醸し出している。

◆ハワースの街

◆ハワースの町

◆エリザベス女王戴冠60周年を祝う旗

北イングランドの古都――チェスター

 午後訪れたチェスターは人口32万人。白壁に黒い格子の建物が連なる趣ある城塞都市。歴史は古くローマ時代に遡る。城壁を歩いて大聖堂へ。堂々たる聖堂。木組みの家の可愛らしい店が並ぶロウズを散策。西の門の上にある時計塔は街のシンボル。

◆街を取り囲む城壁

◆大聖堂

◆大聖堂内部

◆1897年、ヴィクトリア女王即位60周年を記念して建てられた時計塔

◆木組みの家並み/中央に見えるのが時計塔

◆黒の木組みに白い壁が映える中世の建築群

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