博多山笠こぼれ話

      2017/09/05

 ご承知の通り、博多祇園山笠は昨年末、九州の五つの祭りとしてユネスコ無形文化財に登録されました。歴史と伝統ある博多山笠が世界に認められ、うれしく思っています。
 博多山笠は12~14コの飾り山と、7つの舁き山で構成されています。舁き山は大黒流れ、東流れ、中洲流れ、西流れ、千代流れ、恵比寿流れ、土居流れの七つで運営されています。私が参加している大黒流れは12カ町から構成され、その一つ、下新川端町に属して参加しています。

昨年孫三人が山デビュー

 今年の行事日程は別表の通りで毎年7月1日~15日と定められ、9日のお汐井取りを皮切りに15日の追い山まで、水法被と締め込みを身に着け、舁き山を舁き出します。山笠のクライマックスは15日の追い山で、早朝4時59分の一番山の「櫛田入り」から、5分間隔で各流れが「櫛田入り」をします。そのまま、5Kmの博多の町を、概ね30分でタイムを競います。
 15日の追い山台上がりは各町の最高責任者である『取締』が務めますが、14日までの各行事では、ご指名により我々も台上がりが許されます。台上がりは山が走行中に入れ替わるので、相当緊張するし、興奮と躍動感を覚える一瞬でもあります。
 一日の行事が終わると博多手一本を入れて、町内詰め所での反省会(直会:なおらい)。北海道や東京などから参加される仲間との懇親会、色々な情報交換や一年ぶりの再会の喜びで盛り上がる時間帯でもあります。朝山、追い山後の直会は朝からアルコールが入るので、ちょっとこの歳になると厳しくなりました。

きびしい掟の山笠禁忌

 余談ですが、山笠期間中、自粛することが二つあります。一つはキュウリを食べてはならないこと。その理由はキュウリの切り口がお櫛田様の家紋に似ているからという説。二つには女性との接触を慎むということ。昔、女性は不浄の者とされ、体力の消耗やケガをしないようにということらしい。試しに私は当番法被を着て、中洲南新地を歩いてみたところ、流石どの店からも誘いの声は掛けられませんでした。博多の住民はよく心得ておられると感心しました。昨年からは、孫たち小3を筆頭に小1、2歳と3人が山にデビューし、7月は山に明け暮れる忙しい季節です。

 

 

 

 

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