ドクター順子の人生処方箋 Vol.4 肉たんぽのすすめ R18+
2017/01/11
ひとりで寝るときにゃよぉー ひざっ小僧が寒かろう
一桁の気温の日が多くなりました。東京、埼玉に比べると福岡は暖かいようですが、やはりそれでも寒い!
特に夜、布団に入ったときの冷たさ、独り寝にはこたえます。
ひとりで寝るときにゃよぉー
ひざっ小僧が寒かろう
おなごを抱くように
あたためておやりよ
加藤登紀子の有名な歌ですが、同窓生の男性諸君の中にはまさにこの歌を実行されている人もいるのでは?
という女性の私も冷え性のため、足も延ばせずにエビのようにちぢこまって寝ていますが、独り身とあっては、湯たんぽやアンカを使わざるを得ません。夫が存命中はダブル布団、寝るときにはシーツの私のテリトリー部分を先に寝たダンナが体温で温めてくれていました。もう10年以上も前のことで、その暖かみも忘れてしまいましたが・・・
ということで、今回の話は、一定温が保たれて朝まで暖かく、経済的にもタダ、いろんな意味で湯たんぽやアンカよりずっと優れている、天然素材の「肉たんぽ」をおススメする話です!
ご要望?に応えて“シモ”の話も交えながら進めたいと思います。
夫婦は一緒に寝ることが大事
ご夫婦とも健在の方、寝室は一緒ですか? 布団やベッドはくっついていますか? 一緒に寝ていますか? ほとんどの方がノーという答えでしょうね。「今更、冗談じゃないよ、ウチなんて寝ているのは1階と2階だよ!」という人も多いのでは?
確かにそうですよね、日本では一緒の布団に寝るのは、結婚して子供ができるまで?というのが一般的なのかも? でも、欧米では、高齢者でも、離婚寸前の夫婦でも同じベッドで寝ているようですが・・・。
この“一緒に寝る”ということは夫婦間のつながりの最たる基盤、非常に大事なことではないでしょうか。「一緒に寝る」ことイコール「セックス」ではありません。年寄りのくせに今更恥ずかしい、なんて変な“常識”にこだわっていませんか?
一緒なら健康チェックにも◎
一緒に寝てみると、睡眠中の呼吸や脈拍などの異常にも気がつくかもしれませんし、睡眠性無呼吸症候群を持っていることに気が付くかもしれません。朝起きたら別の部屋で寝ていた連れ合いが冷たくなっていた、なんていう話も聞きますが、睡眠中の急な体調変化にも気が付きます。寝床を共にすることがお互いの健康管理や健康確認に大きく役立つことにもなるというわけです。そして、風呂も一緒に入れば、ますますGood!連れ合いの健康チェックは万全、もちろん、その気になってセックスにまで気分が高まってくれば、それはそれで最高ではないでしょうか。
パートナーがいる人の方が長生きというデータも
日本では、「高齢者に性生活はない」と言うのが世間一般の考え方のようですね。でも、80歳でも約4割、70歳代では5割の男性が性生活を持っており、女性においてもしかりで、70歳代で62%の女性が性生活を維持しているという報告があります。社会的なつながりが減っている高齢者にとっては、家庭内でのつながり、すなわち、連れ合いとの性生活やスキンシップなどによる親密な関係は非常に大事であり、それがQuality of Life (QOL)の向上にも影響を与えると言われています。
全く性生活のない人や、月1回程度の人では、「生活にうるおいがない」と答えた中高年層が圧倒的に多く、性生活がいかにQOLに影響を与えているか、推測できるものです。
でもね、実は一方では、常に一緒に暮らしているパートナーのいる方が、現実として性的に冷めているのは確かで、常時、顔をつき合わせていることが性における新鮮さや好奇心を薄れさせているようです。性的なつながりの基本は夫婦ですから、やはりこれは由々しき問題と思いませんか。だからこそ、この解決策として、まずは一緒に寝ることが一番、推奨したいものです!
ただ抱きしめるだけでも
高齢者に限らず、寝室を別にしている夫婦では夫婦同室よりも性的活動が低いとか。当然と言えば当然なのですが、やはり寝室が別では、「セックス」するのは特別の日という感覚にならざるを得ず、回数が減って当たり前、気合を入れて相手の部屋を訪れるのも逆に面倒くさい、やる気も??も萎えてしまいますが、反対に、その気になった時に手を伸ばしさえすればすぐ横にパートナーがいる、ごくごく自然な“成り行き”が待っています。「その気」になったらすぐに向き合える“距離感”、これが大事なファクターであり、何ものにも勝る“媚薬”になりそうです。
もちろん、一緒に寝たからと言って、毎回セックスして射精しなくてもいいのです。(年齢的には無理なことですが・・・)。抱きしめ合い、相手の身体を愛撫しながらのスキンシップ、触れ合いながら今日一日の出来事を静かに語り合う、子供が小さかった頃の思い出話をするのもいい。そうやって、お互いの愛情を改めて認めあう夜は、若かりし時とはまた違った、満たされた幸福感を味わうことになるかもしれませんね。ほほえましい雰囲気です。
フェロモンを枯れさせないために
70歳代の高齢女性では、半数の人が性的欲求を感じているという調査があります。でも、性的欲求といっても、実際にセックスをしたいというのではなく、戯れたい、異性と心でつながりたいという欲求、すなわち、“精神的交際”を欲しているという性的欲求です。また、この欲求は、夫がいる女性ほど加齢後も長く維持されているとか。愛情で結ばれたパートナーの存在が性の持続、性生活の維持に大きな影響を持っており、QOL向上にも大きく貢献していることが伺えます。性的パートナーである夫がいるということ自体、すなわち、夫の存在そのものが感覚的な刺激や性的な刺激となって脳を活性化しているのかもしれませんね。決して“粗大ごみ”ではなく、フェロモン効果を大いに発揮してくれる存在なのです。