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いつからか銀翼に恋して Vol.4

      2016/12/23

下枝  堯

 アメリカの大統領選挙は予想を覆しトランプが選出されましたが、私がアメリカのサンディエゴで飛行訓練をスタートした1968年も大統領選挙の年で、共和党のニクソンだ、民主党のハンフリーだと大騒ぎしていたのが思い出されます。

 サンディエゴでの訓練目的は、約8ヶ月で航空会社の副操縦士として必要なFAA(米国連邦航空局)の国家試験を受け事業用操縦士陸上単発、双発飛行機免許(自動車の2種免許に相当)と雲中飛行が可能となる計器飛行証明の資格を取得することでした。(勿論、日本の免許も必要ですが)

訓練センター/ブラウン飛行場周辺地図

現在のブラウン空港

 国家試験はまず筆記試験に合格し、所定の飛行訓練を受けたのち実技試験に合格することでライセンスが発給されます。筆記試験は70点を取ればよいのですが、概して日本人は高得点を得るべく頑張るようで100点を取った人もいました。アメリカ人には余分な努力をしているようにみえ、理解できないようでした。

FAAのパイロットライセンス/TAKASHI SHIMOEDA

 訓練は平日の毎日、土日は原則休みでクラスを午前飛行訓練、午後座学、午前座学、午後飛行訓練の二組に分け実施されました。座学は自習が基本で当時はレコードプレーヤーの音声とスクリーンに映し出されるスライドを見ての自習で、疑問点や質問があれば座学教官に教えを乞う方式でした。科目の大よそは仙台の地上教育で習得済みであったので質問はもっぱらFAR(連邦航空規則)の英文解釈、アメリカ大陸の航空気象についてであったと思います。
 飛行訓練の内容は失速(Stall)からの回復操作、急旋回(Steep turn)、低速飛行(Slow flight)等の空中操作(Air work)、エンジン停止に伴う模擬不時着訓練(Forced landing)、離着陸訓練(Touch & Go Training)などで、12時間ほど飛行した時点で単独飛行(Solo flight)の能力が身についているか見極めのチェックがあり、合格すれば晴れて単独飛行が許されます。

 飛行訓練を始めてから20日目、初めての単独飛行はカリフォルニアの青い空のもと、エンジ音も軽やかに滑走路から舞い上がり飛行場の場周経路を飛行して無事着陸。空中でただ一人、誰にも頼れない緊張と興奮の中にも解放感に浸った、パイロットとして生涯忘れることのない出来事でした。

 飛行課程は、引き続きひと月ほど教官同乗での空中操作訓練、単独での飛行、サンディエゴ近郊の小型機用飛行場に出向いての離着陸訓練をも積み重ねて、次のステップである野外飛行訓練 (Cross country flight)に進みます。

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