本家四国をしのぐ参拝者数
全国各地にある「新四国」の中でも有名なのが小豆島、篠栗(ささぐり)、知多(ちた)の三つで、「日本三大新四国霊場」といわれています。この三つの中で篠栗が一番新しいのですが、年間参拝者は一番多く、本四国を上回った時期もありました。というのは、本四国の全行程1,400km、小豆島新四国150km、知多新四国200kmに比べると、篠栗新四国は全行程50km弱と格段にコンパクトなのです。
九州・山口地方の人々にとって、往復の旅程を入れても一週間以内に八十八か所参りができるのはとても魅力でした。特に明治37年(1904)に九州鉄道が吉塚、篠栗間を結び、九州一円からの「団体列車」が、直接、篠栗駅に乗り入れるようになって、参拝者数は飛躍的に伸びました。最盛期(昭和30年代)には年間100万人超という記録も残っています。