下枝さん、ありがとうございます。この句を拝見して、まず頭に浮かんだのは熊本城のことでした。 幾多の歴史の舞台となった熊本城、さしも難攻を誇った名城も震災には勝てず、石垣の大崩落、櫓や長塀の倒壊など甚大な被害を受け、完全な修復には20年の年月が必要なのだそうです。
そんな天変の事情は知らぬげに、今年も優美に咲き誇る桜。そのたおやかな様と無骨な重機との対比は痛ましくはありますが、熊本復興のシンボルとして市民の心の支えになっています。
すべての人智を包みこんで圧倒的な、大自然の営みに身をおかれた作者の、そんな感慨を詠われたものかと想像し、心に残りました。
(市丸)