春の陽気に誘われて3月14日、近場の堺市南区の泉北地区をハイキング。街開きして50年、西日本最大規模を誇るニュータウン。泉北高速鉄道泉ケ丘駅から大蓮公園を抜けて40分ほど歩くと多治速比売神社(たじはやひめ)に出る。神社は和泉国大鳥郡の延喜式内社二十四座のひとつで西暦530年頃の創建と伝えられ、室町時代に建てられた檜皮葺の本殿は重文に指定されている。多治速比売命、菅原道真公を祭る。16年前、初孫のお宮参りに来て以来の参拝となる。
溜池では釣り人達がのんびり釣り糸を垂れている。敷地内の荒山(こうぜん)公園の2.7ヘクタールの梅林に50種1200本の梅が満開になっていた。紅、白、桃、黄色の梅が今を盛りに咲き競っている。遠方から見ると春霞にかすんで幻想的な美しさ。近場にこのような見事な梅林があることは泉北に住んで30数年になるが、知らずに過ごしてきた。
梅は、鑑賞用の花梅と実の採取用の実梅があるが、ここにはこれらすべてといっていいほどの紅白梅と黄色の花を咲かせるサンシュユ、蝋梅がある。
公園から30分も歩くと小谷城址がある。鎌倉時代80メートルの山をそのまま城にした山城。頼朝を助けた池禅尼の孫にあたる平頼晴が築き、南北朝時代は南朝方、戦国時代は根来党、大坂夏の陣では徳川方として勝利した。江戸時代は庄屋を務めている。今は何も残っていないが、城址に小谷城郷土館が建っている。
1週間後の開花予想がだされている桜の蕾はまだ固いが、雪柳やコブシの花は一気に開き、ウグイスが拙い声でさえずっている。2時間6キロの短いハイキングを終える頃には、4月下旬並みの気温にかなりの汗をかいていた。仲間と飲む冷えたビールの味は格別であった。