ベラスケスの名画に魅せられて

      2018/03/25


 koya tanaka 田中 功也

 
 

 

今、上野の国立西洋美術館で『プラド美術館展』が開かれている。
真冬の寒空が戻った3月7日の午後訪れた。

ベラスケス作品120点のうちプラド美術館は45点を収蔵している。世界3名画の1つ『ラス・メニーナス』こそ来ていないが、空気遠近法の背景もいい「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」「狩猟服姿のフェリペ4世」、ぼかした表現がいい「マルス」、緻密な筆遣いの「東方三博士の礼拝」、顔の表現が素晴らしい「バリェーカスの少年」など7点が出展され、ベラスケスの魅力を余すところなく堪能できる。

その他、ファン・デ・エスピノーザの「ブドウのある八角形の静物」の迫真の表現力、ルーベンス「聖アンナのいる聖家族」、ムリーリョの「小鳥のいる聖家族」も素晴らしい。アントニオ・デ・ベレーダの「ジェノバ救援」は圧巻の大作。

常設展にも素晴らしい作品が並んでいる。30数点しかないフェルメールの「聖プラクセディス」。彼の作品を日本で、しかもいつでも観られるのは奇跡に近い。ヤン・ステーン「村の結婚」、ドラクロワ、カミーユ、コロー、クールベ、ゴッホ、セザンヌ、ゴーガン、ピカソ、セガンティーニ等々。

モリゾの「黒いドレスの女性」、ドガ「舞台の袖の3人の踊り子」、モネの「積み藁」は新収蔵品。一部を除き撮影できる。

国立西洋美術館の建物は、ル・コルビュジエ設計の世界遺産。前庭にはロダンの「地獄の門」、「カレーの市民」、「考える人」、ブールデルの「弓をひくヘラクレス」の彫刻があり、見所たくさんである。5月27日まで開かれている。

 

 

 

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