新日本歳時記/寿禄会版・春愁

      2023/07/29

 

◎今日の一枚/亡き友のふるさとを訪ねて

 写真は江戸時代、幕府の天領として栄えた高山市の古い町並み、田中功也さんがゼミのお仲間とともに、亡き友人のふるさとを訪ねられた時の一枚です。

 両親や年上の友人知人に先立たれるのとは違い、同年の仲間を亡くす哀しみは特別のもの。古都高山の美しい町並みを包む春の光もどことなく愁いを帯びて見えるのは、胸に去来する思い出とともに甦ってくる友人とのあれこれへの哀悼の思いゆえでしょうか。

撮影者

田中 功也
 1月始め大学のゼミ仲間を失った。クラスの中でも一番頑丈で元気だった友があ っけなく世を去った。卒業以来毎年ゼミ会を開き、57年の付き合いになる。3月15日、大阪、草津、名古屋の仲間4人と連れだって飛騨高山に弔問に訪れた。夫人の話に故人の無念さがひしひしと伝わってくる。
 残る我々にもいつ死が訪れてもおかしくなく、日々の健康管理の大切さを痛感する。懐かしい写真をはさんで思い出話が尽きない。
 JR高山駅前には4年振りにのぼり旗が立ち、4月14、15日には日本三大美祭の一つで、ユネスコの無形文化遺産に登録されている高山祭が開かれる。快晴の空のもと、各所に残る古い町並みを巡る。夕食には、大食漢だった友を偲んで飛騨牛を楽しんだ。

撮影日

2023年3月15日

撮影場所

岐阜県高山市

 

 

 

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