寿禄短歌の会 市丸幸子(6)

      2024/02/06

 
◎小豆島キャンプ

 大学一回生の夏休み、小豆島でクラブのキャンプが行われました。入部から3カ月、そこまで辞めずに続けた部員を正式の部員と認め、バッジを授けるという儀式です。暗闇を運ばれてきたトーチの火がキャンプファイヤーに点火され、燃え上がる炎の中、一人ずつバッジを受けるセレモニーは18歳~19歳の若い部員たちにとっては感動的。炎が消えたあと見上げた星空の美しさを、忘れることができません。

 

 そしてこちらは、夕食からキャンプファイヤーが始まるまでの自由時間、瀬戸内海に沈む夕陽を二人で見ていた時のことを詠んだ一首です。今では記憶が朦朧として、本当にあったことなのか妄想だったのか、定かではありません。(笑)

 

◎恭子さんのこと

 恭子さんは姫路のカトリック系女子高からやってきた、敬虔なクリスチャンでした。当時流行っていた「学生時代~蔦のからまるチャペルで、祈りを捧げた日~」の歌詞さながらの清楚な雰囲気を持ち、高校時代に受けた洗礼のこと、「地の塩 世の光」について話す姿は、同性でも見惚れるほど。そして、故郷には婚約者がいるということでした。

◆同志社大学 礼拝堂

 
 そんな彼女が好きになったのは、それまでに出会ったことがないタイプの男子学生。両親や婚約者への罪の思いを打ち明けられたときは、とても信じられない気持ちでした。

 

 卒業後、彼女は彼を追いかけてモロッコへ。ご両親を悲しませ、友人たちを驚かせたその行動力はどこから来たものだったのでしょうか。その後親しい友人たちとも疎遠になった彼女でしたが、30年後に哀しい消息を知ることとなりました。

 彼女は48歳で病没していて、19歳と15歳のお子さんが遺されたのだそうです。もしもう一度会うことができるなら、手を取って「選んだ道に悔いはない、幸せな一生だった…」と彼女の言葉で確かめたい思いです。

◆モロッコ・シェフシャウエン(青の町)

 

 

 

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