寿禄短歌の会 市丸幸子(11)◎立夏の候new

   

 

 短歌を詠み始めて一年が過ぎようとしていますが、早くもスランプに(笑)。表現が未熟なことはもちろんですが、何を詠めばよいかという題材選びに困っています。

 そこで今回は、「寿禄短歌の会」にご投稿いただいている廣渡清吾さん、黒川勝利さん、竹田範弘さんたちに加え、いつもお世話になっている藤本茂さんを題材に短歌をつくってみました。作者の妄想や勝手な思い込みにより、事実とは異なる点があるかと思いますが、お許しくださいね。

◎廣渡清吾さんへ

 南ドイツの小さな町のドイツ語学校(ゲーテ・インスティテュート)で出会った、廣渡さんとドイツ語教師ザピーネ先生の物語。ザピーネ先生は、廣渡さんより少し年上でバツイチ。キャサリン・ヘップバーンに似た、美しく聡明な女性だったそうです。
 まるで森鴎外の「舞姫」を思い起こさせるような、出会いと切ない別れ、そして数年後の再会の物語は、廣渡さんのご投稿二人のザピーネ - 福高寿禄会およびベルリンのザピーネ - 福高寿禄会をお読みください。

 著作の中でもちろんお二人は、先生と生徒の礼節を守っておられるのですが、短歌では想像を膨らませ、一歩踏み込んだ物語に仕立ててみました。

 

◎黒川勝利さんへ

 スターバックスやタリーズコーヒーなど、アメリカ西海岸の都市シアトルから世界に広まった珈琲チェーンを「シアトル系珈琲」と呼ぶのだということを、黒川さんに教えていただきました。
 シアトルの冬は雨が多く、霧雨の天気が4月ごろまで続くのだそうです。そんな寒い冬を暖かく過ごすため、シアトルには珈琲ショップが沢山出来たのだとか…。
 黒川さんは、「サバティカル制度?」で大学から派遣され、シアトルに滞在されています。そのときの思い出を想像して、短歌を作ってみました。

 

◎竹田範弘さんへ

 竹田範弘・和子ご夫妻のことを思うと、二輪草が目に浮かびます。一本の茎に、二輪の花が寄り添うように咲くことから二輪草。その二輪は片方がやや大きかったり、花柄の長さも違ったりして、仲の良いカップルのように見えます。
 夫範弘さんは、当時大手企業のパリ勤務が決まっていた和子さんに、「行かないでください」と言い、それがプロポーズだったと、回顧録で述べたおられました。互いに敬い、いたわり、仲睦まじいお二人ですが、五十余年の年月の間には、ふと振り返ってみることはなかったのかと思ったりします。(余計なお世話でスミマセン^^)

 

◎藤本 茂さんへ

 大学時代は「邦楽部」に所属。幻想的な音色を奏でる尺八に熱中しておられた青春の日々については、「その時、君は?」【007】1964 Oct.- 寝ても覚めても「尺八」だったあの頃のこと。 - 福高寿禄会で述べられていますので、未読の方はご参照ください。

 そんな藤本さんでしたが、先年大切にされてきた楽器一式を、毎朝の散歩途上にある阪大邦楽部に寄贈したことを報告されました。手放される前に、一度ぜひ演奏を聴かせていただきたかったですね。 ※「むら息」とは、尺八特有の高度な演奏技術のこと。拝聴できなくて残念でした!

 

◎市丸幸子の現状を憂うる一首

 短歌を始めたからには、読む人の心を虜にしたい、魂を揺さぶるような言葉に出会いたい^^。そんな野望を抱え込んでうまくいかず、悶々として…、いつの間にか時が過ぎ夏を迎えてしまったという一首です(笑)。

 

 

 

 

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