カメラとともに Vol.8 「謎が解けました!」

      2018/09/21

鹿児島県南さつま市 竹田神社・六月灯

「謎が解けました!」

キマダラカメムシの生長記

10年前に見つけた奇妙な虫の謎が解けてスッキリしたというお話しです・・・

 昆虫は脱皮をくり返しながら姿を変えることはよく知られていますが、意外な変身を目の当たりにして驚きました。

謎の生物? 2008. 07. 19

 2008年の7月、散歩中に撮った写真です。奇妙な虫がサクラの幹を這っていました。背中の紋様には地球外生命体(?)を彷彿とさせるものがありました。何という虫か気にはなりつつも、それ以上は探究することもなく、不思議な虫もいるものだというだけで放置していました。

 

謎の卵 2018. 6. 9

 それから10年たち、今年の6月9日に同じ公園でサルスベリの葉に昆虫の卵らしき物と、孵化したばかりの幼虫がいるのを見つけました。さて、何の卵だろうかと多少の興味がわいてきました。実は「サルスベリ」という木に大事なヒントがあったことをあとで知りました。

 図鑑を丁寧に調べて、写真1はキマダラカメムシの中齢幼虫(老熟幼虫)、写真2はその卵と若齢幼虫であることを突き止めました。そして、この虫はサルスベリやサクラの木が大好きだということも分かりました。

 これで2枚の写真はつながったわけです。ならば近くに成虫も居るかもしれないと、図鑑で見た成虫の姿形を頭に焼き付けて急いで探しに出かけました。

 

キマダラカメムシの成虫 2018. 6. 12

 卵を見かけた木の近くで、とりあえずカメラを取り出したその瞬間、なんと成虫がいきなり視野に飛び込んできて目の前の葉っぱにとまったのです。その時の私の慌てようと言ったら・・・。大急ぎでシャッターを切りまくりましたが、露出やフォーカスなどを確認できないうちに虫は飛び去ってしまい、その後は見つけることができませんでした。

 

 ということで、3枚の写真をとり揃えることができました。長いあいだ頭の片隅にあった小さな謎が解けてスッキリしたというわけです。

 それにつけても10年前と今年の写真を見て思ったことは、虫達の活動の季節や場所がよく守られているものだということです。当たり前といえばそれまでですが、何かそれ以上のものを感じました。

 

 

 

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