オランダの二つのクリスマス。

      2017/01/04


オランダの二つのクリスマス。

田中 功也

ベルギー・ブリュッセルのグランブラスのライトアップ

 オランダには2回クリスマスがある。12月6日の子供のクリスマスと25日の大人のクリスマスである。
 11月の日曜日、スペインから聖ニコラス(シンタクラース)が大勢の黒人の従者ズワルトピートとともに蒸気船でプレゼントを積んでやって来る。アムステルダムなどでは盛大な到着パレードが行われ、シンタと顔に墨を塗ったピートが町々を練り歩く。小学校にもシンタとピートが現れ子供たちの大歓迎を受ける。街角で、疲れた顔のピートが2~3人、連れだって信号待ちをしていたりする。子供たちは5日の夜、プレゼントを入れてもらう靴を暖炉の横に置く。シンタクラースがサンタの元祖となって世界に広がった。シンタの興奮が収まる頃、大人のクリスマスとなる。

オランダ・ティルブルクの街角のビートたち

ビートの衣裳をつけた孫たち

 冬の訪れとともに校舎はクリスマスの飾りとイルミネーションに覆われる。教室も子供たちが作った飾りでいっぱいになる。ホームセンターでは家族連れが、ツリーにするモミの木選びに忙しい。広いリビングルームには2本立てられる。マーケットで毎年少しずつオーナメントを買い揃えていく。オランダではカーテンで室内を隠すようなことはしない。灯りが灯る夜は外から丸見えである。どの家も部屋はいつもきれいに片づけられている。子供たちは家々を回って自分で作ったグッズを売っている。50セントコイン(60円)を渡すとかわいい笑顔が返ってくる。娘はママ友たちと隣国ベルギーのファッションの街アントワープに車で気軽に買い物に出かける。年寄りはイクジイ、イクバアとなって孫たちの子守りにいそしむ。

 近所の広い池にはたくさんの水鳥が羽根を休めている。周りを巡る木道は、鳥の糞で足の踏み場もない。温暖化の影響か、運河に張る氷の厚さが足りず、何年もスケートができないと人々が嘆く。31日、天を揺るがす花火が夜通し打ち上げられ、新年を迎える。大きな松ぼっくりを使った新年の飾りは日本のそれに驚くほど似ている。

ベルギー・ブリュッセルのグランブラスのイルミネーション

グランブラスのライトアップ

ベルギー・ブリュッセルのクリスマスマーケット

ドイツ・アーヘンのクリスマスマーケット

ドイツ・アーヘンのクリスマスマーケット

クリスマスのウインド―ディスプレイと孫

ベルギー・ブルージュのクリスマスマーケット

ドイツ・ケルンの大聖堂

ドイツ・ケルンのクリスマスマーケット

オランダ・マーストリヒトのクリスマスマーケット

娘家族が住むオランダ・ティルブルクの雪景色

娘の家近くの池

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