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Photogenic! 北欧のおとぎの国々 バルト3国紀行new

   

《ラトビア・エストニア編》

 

 

 

バルトの真珠――首都リガ

 

 ラトビアに入ったとき、洋ナシの大きな木が白い花をいっぱい咲かせていた。夕方6時はまだ昼の明るさで、この日、6月5日の日没は10時08分。夕焼けがとてもきれいだった。

 訪れたのは、古くから交易の拠点として栄えてきた首都のリガ。バルトの真珠と呼ばれる美しい港町。中世の建物が残る旧市街は世界遺産に登録され、観光客で賑わう。歴史地区は重厚な建物やアールヌーボーの建築が軒を連ね、西ヨーロッパの街にひけをとらない。因みに、アールヌーボーとは、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパとアメリカに広がった装飾および建築の様式で、フランス語で≪新しい芸術≫の意味。1890年代からヨーロッパに流行した。

◆ラトビアの夕焼け

◆「3人兄弟の家」:リガ旧市街に、それぞれ異なる時代の建築が3軒並んでいる。右端「長兄」と呼ばれる白い建物は15世紀建築の最古の石像住宅、中央「次兄」は17世紀の建築、左端「末っ子」は17世紀末に建てられた。

◆左:猫の家、中:聖ヤコブ教会、右:画家と猫

 

リガ大聖堂へ

 リガ大聖堂は、現存するバルト3国最古の建築のひとつで、13世紀以降、増改築を繰り返し、ゴシックやロマネスクなど様々な様式が混ざっている。シンプルなのにとても雰囲気があり、静寂のなかでひときわ目を引く美しいステンドグラスやパイプオルガンが見事だった

◆世界遺産「リガ歴史地区」にあるリガ大聖堂は、創建当初はロマネスク様式の建物だったが、その後、初期ゴシック様式、バロック様式へと改築され、さまざまな建築様式の特徴が融合している。

◆大聖堂内部、毎日正午にはパイプオルガンのコンサートが行われている。

◆聖堂内を彩る美しいステンドグラスには、リガの歴史が描かれている。

 リガは、バルト海岸から新鮮な食材が集まり、美食の街としても知られる。泊まったホテルは、普通のホテルだが、朝食は、他の国の5つ星ホテル並みで、種類も多く満足。洋ナシも甘くて何とも言えない美味しさだった。名物のチョウザメの卵、ブラックキャビアをスーパーで捜したが、なかった。

◆上段:民家の庭の白い花、下段左:聖ペトロ教会、中:ゴシック様式の聖ヨハネ教会、右:白いライラック

 

 

城壁の中に息づく中世都市の面影――タリン歴史地区

 

 3国の最も北、人口132万人の小さな国エストニア。首都タリンは800年前から西ヨーロッパとロシアをつなぐ交通の要衝として栄えてきた。街を歩くとさまざまな国、さまざまな時代の建物を目にする。13世紀に建てられたドイツ騎士団の城、ゴシック様式の市庁舎は14世紀半ばのもの。特徴的なロシア正教の建物。

◆旧市街と聖オレフ教会

◆写真左:トームペアの丘から見る旧市街 左の塔は聖オレフ教会、右の塔は精霊教会 右:カモメと聖オレフ教会

 古い城壁に囲まれた歴史地区にはパステルカラーの中世の街並みが残されている。街の中心にあるラエコヤ広場は、ベルギー・ブリュッセルの世界一美しい広場といわれるグランプラスを小さくした感じで、カラフルで美しい。トームペアの丘の展望台から眺める世界遺産タリン旧市街の下町の景色は抜群。聖オレフ教会の塔や、茶色やオレンジ色の屋根瓦の建物がきれいに並んで、まるで中世のおとぎの国を見るよう。エストニア本土最古の教会の大聖堂は1219年に建てられた

◆パステルカラーの旧市街

◆旧市街を取り囲む城壁

◆アレクサンドル・ネフスキー聖堂

 タリンは人口44万人、国の人口の3分の1が住んでいる。バルト海フィンランド湾に臨む港町で、対岸のヘルシンキとは高速艇やフェリーで結ばれ指呼の間。多くの観光客やビジネス客が行き交うバルトの窓になっている。フィンランド、スウェーデンの影響を強く受けている。1219年にデンマーク王によって占領され、その後、ドイツ人の入植が進み、13世紀半ばにハンザ同盟に加盟。豊かな時代を謳歌したが、16世紀のリヴォニア戦争で商業都市としての繁栄は終わりを告げる。

 その後、スウェーデン、ロシアの支配を受け、ソ連の占領による閉鎖の50年も経験している。独立を回復して26年が過ぎた今、タリンに社会主義時代の暗い面影は見当たらない。ヨーロッパの表情を取り戻し、中世ハンザ都市の賑わいを蘇らせている。

◆写真左:民族衣装の女性、右上:ラエコヤ広場と右は旧市庁舎 右下:屋台の物売り 

 エストニア料理は、ドイツ、スウェーデンの影響を強く受け、野生のイノシシなどの肉を使った料理は中世エストニアの定番料理になっている。ビールはドイツビールに似た深い味。エストニアにも四季があり、冬は厳しく夏はあっという間に終わってしまう。

 単調な風景が続き、農家が点々とした道をロシアのサンクトペテルブルクに向かってバスは進む。時々黄色一色のアブラナの畑が現われる。車の通行量はごく少ない。

 

バルト3国の現状

 美しい自然に囲まれたバルト3国には気高きヨーロッパの誇りと、いにしえより伝わる伝統が息づいている。修道僧に馬上の騎士、王侯貴族の華やかな文化、ヨーロッパ発展の礎が熟成された中世、その香りが今も残る。さっと通り過ぎる旅人には、平和で穏やかな国々としか見えない。しかし、3国の現状はというと、私たちには想像もできない厳しい現実に直面している。

 3国は、ロシアとヨーロッパのはざまで占領、支配の歴史を強いられてきた。2014年ロシアがウクライナのクリミアを併合したことで市民の間に緊張感が満ちている。クリミアで起きたことが自分たちの国で起きないという保障がないからである

 ロシアの脅威の高まりに、リトアニアでは徴兵制が復活。市街地の戦闘を想定した演習にはNATO加盟の11ヶ国が参加し、規模は年々拡大している。国民一人ひとりが家族を、祖国を守る強い気概をもって演習に参加し、志願兵の数は徴兵数を上回っているという。

 リトアニアはNATOに加盟している分、ウクライナとは事情が異なるが、それでも危機感は募る。9月、ロシアとベラルーシが冷戦後最大となる10万人規模の合同軍事演習を行った。4年前の演習では参加した7万5千人の部隊は、そのまま残留し、翌年ウクライナに侵攻して、クリミア半島を併合しているからである。

 EU加盟は、小国に深刻な問題を突き付けている。人口流出である。特にリトアニアでは、26年前360万人だった人口が285万人まで減少した。競争激化により衰退した産業も数多い。しかし、海外に流出した人材を呼び戻す数々の施策を打ち出している。エストニアでは、ソ連時代に培った情報技術を生かし、ITの先進国として発展を遂げている。

 

 

 

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