カメラとともに Vol.3

      2016/11/21

巣づくりのファンタジスタ――蜘蛛の世界へ

小田  紘

VOL.3

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今回は蜘蛛の世界に目を向けました・・・

隠れ帯(かくれおび)というものをご存じでしょうか。
クモの巣に見られる変わった構造物です。何のために作るのかについては諸説がありますが、獲物をおびき寄せるのに役立っているという考えが有力です。
これを見つけると何故かうれしくなります。クモの種類によって隠れ帯の形には特徴があり、クモの世界の奥深さを垣間見る気がします。

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コガネグモのメスと隠れ帯
クモに興味をもつきっかけとなった一枚です。ずいぶん前ですが、公務で与論島に行ったとき、宿の軒先で偶然見つけました。コガネグモのメスで、体長は25mmくらいです。その時まではクモに興味はなく、隠れ帯など全く知りませんでしたが、みごとなX字型の造形美に驚きました。「何じゃこれ」がクモの世界への入り口でした。

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コガネグモのオスと隠れ帯
クモは一般にオスとメスでは大きさ、色、紋様などが全く違うことがよくあります。コガネグモのメスは上の写真のように大きくて柄も多彩ですが、オスは体長が6~7 mm くらいと非常に小さく、色も地味な茶色です。本来はX字型の隠れ帯を作りますが、まだ未完成で、斜め一文字の状態です。

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ナガコガネグモの幼虫と隠れ帯
ナガコガネグモはどこにでもいる極めてありふれたクモですが、幼虫と成虫では隠れ帯の形が全く違います。勝手な想像ですが、幼虫の隠れ帯は昆虫の眼から見ると丸っこい葉っぱに見えるのではないでしょうか。

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ナガコガネグモの成虫と隠れ帯
ナガコガネグモの成虫は縦一文字の隠れ帯を作ります。この写真ではクモを腹側から見ています。

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ナガコガネグモ(多分オスの成虫)と隠れ帯
縦一文字の隠れ帯を作り始めたところだと思います。

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ウズグモと隠れ帯(1)
渦巻き状の隠れ帯を作るクモもいます。ずっと探していましたが、この夏やっと見つけました。

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ウズグモと隠れ帯(2)
渦巻きの状態が写真(1) のものとずいぶん違いますが、同じ場所で翌日に見かけたものです。多分、同じ個体だと思います。そもそも、クモの巣は毎日張り替えられていることが多いようです。

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蜘蛛の世界は奥が深い・・・

今回は「隠れ帯」にスポットをあてました。写真としては今一の感があります。また機会があれば隠れ帯を作らない種類についても紹介したいと思います。

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