新日本歳時記/寿禄会版・紅梅new

   

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田中 功也

◎今日の一枚/新元号「令和」の成立に深くかかわった梅の花

 

 梅はサクラ属バラ科の落葉小高木で、原産は中国。早春の寒さが残る中、百花にさきがけて五弁の花をつけることから、「花の兄」「春告草」とも呼ばれ、その気品ある清楚な姿は、古くから日本人に愛され、多くの詩歌に詠まれてきた。

《 東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ 菅原道真 》

◎ひとくちメモ…紅梅と白梅の違い
紅梅と白梅は、何をもって区別されているのか? それは花の色ではありません。 木の幹を切って、その断面が赤いか白いかによって区別されているのだそうです。つまり、紅梅の断面は淡い紅色をしており、白梅の断面は白っぽい色をしているのだそう。ほとんど知られていない、意外な事実ですね。

新元号「令和」誕生に深くかかわった万葉集の梅の歌

 天平2年 (730年)正月13日、万葉歌人で大宰府長官だった大伴旅人が自邸で観梅の宴を開催。邸内には当時まだ珍しかった梅園があり、参会者が詠んだ32首の梅の歌が万葉集に収録されています。そのとき旅人が書いた序文「時に、初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披き…」の言葉から、新元号「令和」の二文字が取られました。※編集部

撮影者

田中 功也

撮影日

2024年2月5日
 立春を過ぎた5日、大阪は夜半から冷たい雨が降り続いている。1時過ぎ、食後の腹ごなしに近所の公園を傘をさして巡る。池畔の枯れたヨシ原は薄い黄土色のまま。桜の蕾は固く、小さい。池から少し離れた一角に1本の紅梅が、鮮やかな紅色の花を咲かせている。3分咲きくらいか。しばらく冬の寒さが続きそう。

撮影地

大阪府和泉市

 

◎ふるさと花情報【太宰府天満宮の梅】 現在は境内約6,000本の白梅・紅梅が五部咲き、これから2月下旬~3月上旬にかけて見頃となります。※編集部

 

 

 

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