寿禄短歌の会 黒川 勝利(1)◎処暑の候

      2024/02/06

 
今回は俳句や旧作からの改作が中心ですが、短歌の勉強を続けて少しずつでもレベルを上げていきたいと考えています。
 

 言うまでもなく、この歌は芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」を下敷きにしている。岡山市北区の奉還町の起源は、明治維新によって家禄を返上した旧岡山藩士たちが、その代償として受け取った奉還金を元手として当時の山陽道の一部に開いた商店街である。しかしプライドを捨てきれない武士たちに客商売は難しく、その多くは失敗した。現在の奉還町商店街は地元密着型の庶民的な商店街として市民に親しまれている。


 

 夏と秋に岡山後楽園は「幻想庭園」、烏城(岡山城)は「灯源郷」としてライトアップ、市民や観光客に親しまれている。「令和の大改修」を終えて昨年11月に新装開館した烏城は、様々な場所、様々な方角から見ることが可能だが、もっとも風情があるのは後楽園からの眺めであろう。幻想庭園を楽しみながらの遠望となればなおさらである。


 

 36度が常温となってしまったこの夏。外での散歩は暑すぎるので専ら駅の地下街やイオンモールの中を散歩道として利用している。とは言っても、毎日着替えて靴を履いて出かけるのはいささか面倒である。そこで散歩の後はいつも決まったカフェに寄り、コーヒーを飲んだり甘い物をちょっと食べたりして、自分への褒美にしている。


 

 大阪で五月に開かれた「関西福中・福高同窓会」の後で詠んだ歌。最初は、「老いたる我等」ではなく「同窓・同期」としていた。しかし、市丸さんの「寿禄会短歌」投稿⑥の「落日のせつな・・・」に学んで「老いたる」と「若き」とを対比させた。元の歌よりも少し良くなったと自分では思っている。


 

◆壇ノ浦古戦場

 壇ノ浦の戦いに敗れた平知盛の入水直前の言葉、「見るべきほどのことは見つ」を念頭に置いている。これも当初は「新しきこと新しきもの」としていたが、廣渡君の「寿禄会短歌」投稿②の最後の歌に「憧れた友の青春の句碑」として紹介されている、「海見たし荒涼たる冬の海見たし」の句に学んで、「新しきこと新しきこと」とした。「もの」を捨てて「こと」の繰り返しにした方がより強く思いが伝わると判断したのだが、さてどうだろう。

 

 

 

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