寿禄短歌の会 廣渡 清吾(7)◎春霞の候new

   

 

もうすぐ弥生

 「初春の候」と言いながら「漫然時日を徒過」していたら、もう弥生が近くなりました。

 年あらたまってからできた数すくない歌です。

 

 「だれか分かる?」「もちろん!」というやりとりが、いささか高齢者風です。

 

 小学校、中学校以来の、会うことはないが、大事な友達。どうしたかな、どうしているかなと、思います。

 

 

 黒川君もぼくも好きな啄木の年頭の歌

 昔はこの歌で気分よく仕事はじめをしましたが、そんな風にいかない新年、山茶花の花がよかったです。

 小さな花が健気にみえ、光って感じられます。

 

 

寺山修司と魔法の言葉

 

 話は転じますが、昨2023年は、寺山修司二の没後40年だったとか。今年に入ってメディアの特集で気づき、文庫本を3冊手に入れました。
 『寺山修司全歌集』(講談社学術文庫)、『さみしいときは青青青青青青青』(ちくま文庫)、そして「世界でいちばん孤独な夜に-寺山修司のことば集」(だいわ文庫)、歌集は2011年第1刷、2023年第16刷ですが、他の2冊は新たに編集され2023年刊です。

 かれは1935年生まれ、1983年に亡くなりました。同時代的には「天井桟敷」というアングラ劇団の主宰者、といった程度しか認知していませんでしたが、
 かれの歌

 は、ぼくらの世代の気分にあう、忘れない歌になっています。
 歌集には、歌人・塚本邦雄が解説をかいていますが、この前衛的反骨の代表的歌人が「天才、鬼才」と臆面もなく賛歌を綴っています。というわけで、この1週間、寺山修司を読んでいました。高校の文芸部時代に帰ったような心持がしました。

 

 

 

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