寿録短歌の会 黒川勝利(3)◎立冬の候

      2024/02/06

 

◆岐阜県・奥飛騨「しらかば平」

 10月30日から11月2日まで信濃と飛騨を旅した。訪れたのは軽井沢、平湯温泉、上高地、及び奥飛騨のしらかば平などである。今回はそのうち上高地、そしてそこを黄色く彩るカラマツの木を中心に詠んでみた。

写真左:上高地カラマツ林を歩く 右上:同カラマツ林 右中:梓川河岸のカラマツ林 右下:熊ベル

 カラマツは我が国にのみ存在する固有種である。しかし、松島、天橋立などで「白砂青松」と表現されるような一般的な松ほどには「日本的」とは感じない。私の記憶の中でこの木が、海外からの旅人が非常に多い上高地という土地と不可分に結びついているためであろうか。今回の旅でも多くの外国人を見かけた。

 カラマツは日本原産の針葉樹では唯一の落葉樹であり、時に「落葉松」と表記する。標高1500メートルの上高地の秋と冬は早い。数年前に今回同様11月初めに訪れた時には真っ黄色になっていた大地に感動したのだが、今回は記録破りの酷暑と暖秋の影響だろうか、そこまではいかなかった。しかし、一部で始まっている針葉の落葉がいずれは上高地の全域に広がるのもそう遠くはないと思われた。

 

写真左:大地を黄金色に染めるカラマツの落葉 右上:芥川龍之介の小説「河童」の舞台になった河童橋 右下:河童橋から梓川上流を望む ※2019年の旅行記「野鳥の声と瀬音と文学の薫り 秋の上高地を歩く」もご覧ください。

 最後に旅の感慨を一首。

 

 

 

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