北西スペイン・ポルトガル紀行〔4〕

      2021/04/25

◆ユーラシア大陸最西端・ロカ岬のモニュメント

 

 

 

ここに地果て、海始まる ユーラシア大陸最西端―ロカ岬に立つ

 旅の6日目の12月9日、朝9時にホテルを出発。ユーラシア大陸最西端のロカ岬とシントラに向かう。対向車線は通勤の車で渋滞している。大西洋を見下ろす丘の上を走り、10時前ロカ岬着。晴れて虹がかかっている。

◆上2枚:ロカ岬にかかる虹  ロカ岬はユーラシア大陸最西端に位置し、高さ140mの断崖の上に 1772年に建設された灯台が今も現役で動いている。

 高さ140mの断崖の先には大西洋が広がり、素晴らしい眺め。ベーリング海峡を挟んでアラスカと接している。ポルトガルの詩人カモンイスが詠んだ詩の一節「ここに地果て、海始まる……」を刻んだ石碑が建っている。大西洋から吹き付ける猛烈な風に、体ごと飛ばされそう。雨が降っていたら観光どころではなくなる。霧がかかる日が多いという。

◆ロカ岬:横スライドショー8枚

◆ロカ岬の石碑:縦スライドショー2枚。横スライドショー2枚

 マグネットなどのお土産と「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を買う。日付が8日になっていて、書き直してもらう。

◆左: 「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を買う  右:ロカ岬の絵タイル

 

昔日の栄華を今に伝える王侯貴族の別荘地―シントラ

 11時過ぎ、イギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」と称えたシントラへ。リスボンの西28kmの深い緑に覆われたシントラ山系に、王宮を中心に貴族や富裕層の別荘が点在している。美しい文化的景観が世界遺産に登録され、ポルトガル有数の観光地になっている。

◆シントラ:横スライドショー11枚

 

国王の"夏の離宮"だったシントラの王宮

 レプブリカ広場に面した晩秋の宮殿(王宮)へ。14世紀にジョアン1世によって建てられ、絢爛豪華な室内装飾は、海外へ向かって躍進していたポルトガルの栄華を反映している。

◆王宮の内部:横スライドショー18枚、縦スライドショー2枚

 高さ33mの巨大な煙突を持つ台所、タイルで覆われたアラブの間、エキゾチックな中国の間、モザイク状の床の礼拝堂、狩猟の光景を描いた絵タイル(アズレージョ)で囲まれた紋章の間、天井一面にカササギの絵が描かれたカササギの間、27羽の白鳥がそれぞれ違ったポーズをとる白鳥の間など、見所が多い。

◈絢爛豪華な王宮内部

◆「紋章の間」の絵タイル ポルトガルの伝統的な装飾タイルでアズレージョと呼ばれ、狩猟のようすが描かれている。

◆上:アラブの間 飾られているアズレージョはポルトガルに現存する最古のもの。
 下左:中国の間 下中:礼拝堂 下右:カササギの間

◆「白鳥の間」の天井絵  王冠を首にかけ、一羽一羽ポーズが異なる27羽の白鳥が描かれている。

 15℃。他にはほとんど人がいない。写真撮影もフリー。ゆっくり王家の「夏の離宮」を見て回る。黄葉が美しい。降っていた小雨があがる。ケイジャーダというお菓子が美味しい。

 現地ガイドの日本人女性は横浜出身。給与水準が低く、なかなか日本に里帰り出来ないのが難だが、気候もよく、暮らしやすいポルトガルの生活には満足しているという。

 

◆上:王宮の庭園

下2枚:王宮の中庭

 リスボンのレストランでの昼食は、コロッケのサラダにタコのリゾットとメレンゲ。リゾットはタコが柔らかく、中々の美味。

◆左:リスボンのレストランで昼食 右上:コロッケのサラダ  右下:リゾット

 食後はフリータイム。近くのボンパル侯爵広場からリベルーデ通りを下り、メトロのアヴェンーダ駅で公共交通1dayフリーチケットを買う。4.5ユーロ。早速地下鉄に乗り、ロシオ駅へ。

◆リスボンの地下鉄:横スライドショー4枚

 周辺を散策。目当ての店は当てが外れてがっかり。

◆リスボン市街:横スライドショー5枚

 ケーブルカーのグロリア線に乗る。急坂を登り、リスボン市街を見晴らす丘の上へ。

◆ケーブルカー・グロリア線:横スライドショー3枚

 下ってサンタ・ジュスタのエレベーターに乗る。若者のグループに写真撮影を頼まれる。さらに螺旋階段を上り展望台へ。すぐ前にサン・ジョルジェ城の城壁や大西洋、港が見える。オレンジ色の屋根と白い壁の家々が並ぶ。

 サン・ジョルジェ城は、1500年前のローマ時代に建てられたリスボン最古の建造物。その後、イスラムやムーア人、ポルトガル王家と支配者は変わったが、城は使われ続けた。高台にあるのでリスボンの街を一望できる。

◆リスボン市街を見晴らす丘からの眺め、オレンジ色の屋根と白い壁の家々が美しい。

◆リスボンの少女

 また、小雨が降り始める。地下鉄で途中1回乗り換えて、サン・セバスチャンへ。出口に目指すデパート、エル・コルテ・イングレスがある。お土産のお菓子や夕食を買う。あちこち探し回ってタクシー乗り場へ。6時ホテル帰着。ショップで鶏の置物をお土産に買う。

 デパートで買ったポルトガルのワインやサンドイッチ、サーモンの巻きずしの夕食。朝、昼とたっぷり食べているのでこれくらいの量で十分。味もまずまず。ゆっくり湯船につかり体を休める。セゴビア、アビラに行けなかったのがかえすがえす残念だが、次回の楽しみにとっておくことにする(2016年4月下旬に実現。スペイン紀行・後編参照)。暑い1日だと思ったら、市内は23℃あった。

 12月10日は、朝5時半にホテルを出発。7分で空港へ。元船乗り氏が財布を忘れたと騒ぎに。幸いホテルは近いので取りに戻って事なきを得る。軽い朝食をとり、近所や友人に免税店でお土産にチョコレートを買い込む。8時半、離陸。リスボンの家々がきれいに可愛く見える。睡眠不足で気分が悪い。雲の中、12時アムステルダムに着陸。まだ、所々に雪が残っている。時差でオランダはポルトガルより1時間早い。ここでは、孫や娘のお土産を買う。

 2時過ぎ離陸。日本まで10時間45分の飛行。今までの旅行では気づかなかったが、1万メートルの上空から見る星空の美しさは圧巻!! 息を呑んで見つめる。
 朝9時前、関西空港に無事帰着。曇りで13℃。いろいろトラブルはあったが、満足のいく旅だった。

 

― 了 ―

 

 

 

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