薩摩路の夏だより

      2017/10/03

5月上旬、えびの高原からノカイドウ開花のたよりが届くと夏の始まりを感じます。そして6月上旬から7月にか けてミヤマキリシマが霧島山系を彩ります。山々の緑は力強く輝きはじめ、いよいよ本格的な夏を迎えます。

 

◆白鳥山頂上から眺める白紫池(びゃくしいけ)

白紫池は標高1,200mにある周囲250mの火口湖で、かつては冬季に天然のスケートリンクが開設されていました。

 

◆コバルトブルーの白日夢―六観音御池(ろくかんのんみいけ)

この池は白紫池の近くにあり、周囲1,500mの火口湖です。このあたりには火口湖が点在し、白紫池とともに池めぐりコースの要所となっています。

 

◆白鳥山中腹より眺める六観音御池

白鳥山の中腹から眺めると、六観音御池の全体像がわかります。白紫池より深いため、晴れた日には水の青さが印象的です。

 

◆短き生命の芳香―ノカイドウ(野海棠)(えびの高原)

ノカイドウは世界中でここだけに自生する花木で、国の天然記念物に指定されています。

5月上旬に濃いピンクの蕾から白い花が開きますが、開花期間はほんの一週間たらずです。最近、鹿による食害や環境変化などにより減少が進み、既に200株を割っているのではないかと言われています。「自生」という条件のもとでどのように保護したら良いか苦慮されているようです。

 

◆えびの高原のミヤマキリシマ群生地

ミヤマキリシマは高山に自生するツツジの一種。6月になると霧島山系ではふもとに近い所から咲き始め、花の群落は徐々に山の斜面をはいあがります。登山道は花の間を縫うように続きます。

 

◆2000年の眠りから覚めて―大賀ハス(鹿児島市都市農業センターの水生植物園)

昭和26年に千葉県で遺跡の発掘調査中に大賀一郎博士によって3粒の古代ハスの実(種子)が発見されました。そのうちの一粒が2,000年以上の眠りから覚めて発芽・開花し、大賀ハスと命名されました。このハスは株分けされて日本各地はもとより世界中に広まりました。

 

鹿児島でも6月中旬から8月にかけてみごとな花を咲かせます。この時期、ハスの葉の上には、オタマジャクシから変身したばかりの仔ガエルがたくさん見かけられます。

◆考える仔ガエル

オタマジャクシから変身したばかりの仔ガエルは、ハスの葉っぱの上で思案深げに遠くを見つめているようです。仔ガエルの視線の先には何があるのでしょうか。

 

◆虫たちの朱夏―てんとう虫のペア

アジサイの葉にナナホシテントウのペアを見つけました。夏の日差しを受けながら、足もとでは着実な生命の活動が繰り広げられています。

 

暑中お見舞い申し上げます。

お詫び

小田さん、早くから原稿をお預かりしていたにもかかわらず、公開が大変遅くなり申し訳ありません。

皆さん、原稿と季節にわずかにずれがあるとお思いでしょうが^^、小田さんのせいではありません。みな私のせいですから、お許しくださいね。      市丸

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