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LGBTプラスI(アイ)

      2018/01/08

 

竹下亘総務会長がポロリ!?

 11月下旬のことです。自民党の竹下亘総務会長が、党支部のパ―ティの講演で「同性のパートナーが宮中晩さん会に出席することは日本国の伝統にあわないので反対だ」といったとか。批判的な反応にたじろいで本人はすぐに「言わなきゃよかった」と撤回したそうですが、「皇室を考えたときに日本人のメンタリティーとしてどうかなという思いがあり、言葉になってでた」と言わずもがなのことを付け加えました。ひきあいにだされた皇室こそ、いい迷惑でした。

 今回は、これに「触発」されたテーマです。

 

Marriage for All

 同性婚は、オランダが2001年に先陣を切り、その後ヨーロッパを中心に、米国、南ア、ウルグアイなど20をこえる国が認めています。アジアでは、この春、台湾がこれに続きました。同性婚を認める前に、多くの国では婚姻とほぼ同様の効果をもつパートナーシップ制度をつくり(この最初は1989年デンマークです)、異性カップルは婚姻を、同性カップルはパートナーシップを利用するという方法を採用しました。

 ドイツは、ヨーロッパのなかでは、相対的に保守的で、オランダが同性婚を認めた2001年に同性カップルのために「登録生活共同体」制度を設けました。この後ドイツでも、同性婚を認めるべしとする運動の力が次第に大きくなり、最後は、メルケル首相が、自分は個人として反対だが、党の議員が賛成することを認めると決断して、同性婚を認める法改正が成立し、ちょうどこの10月に施行されたところです。同性婚のスローガンは、「Marriage for All」でした。つまり、婚姻を異性婚に限定することは、差別であるという位置づけですね。

 

日本国憲法第24条では・・・

 ドイツの民法典は、これまでたんに「婚姻は、一生涯にわたって締結される」と規定していましたが(異性婚が当然で期限を切った婚姻は認めないという趣旨です)、改正によって「婚姻は、性の異なる、または、性を同じくする2人によって、生涯にわたって締結される」と変わりました。
 ドイツの憲法には婚姻を異性間のものだとする規定がなく、憲法改正は不要ですが、日本国憲法は「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」(24条)すると規定しています(「両性」とは2つの性、すなわち異性)。そこで、いつの日か同性婚を認めることになれば、憲法改正が必要だという議論もあります。ただし、憲法24条の趣旨は、戦前のように婚姻に父親や戸主の同意を必要とする制度を否定し婚姻当事者の意思のみが決定的だということであり、当事者が異性か同性かは重要でないという議論がむしろ多数説のようです。

 

第三の性を認める動き

 さて、ドイツでは、さらに事態が進展しました。この10月10日、連邦憲法裁判所は、出生登録に際して男性か、女性のいずれかに区別し、第三の性を認めないことが憲法の保障する「人間の尊厳の尊重」および「人格の自由な発展の権利」を侵害し、違憲であるという判決をだしました。日本でも、みなさんご案内のように出生届には必ず男女いずれかの区別を記載しなければなりませんね(窓口の扱いとして性別欄は空欄にして後で追加してよいことになっていますが、いずれはどちらかで届けなければなりません)。

 男性でもない、女性でもない、第三の性を新たに認めるという取り扱いは、パスポートの表記などにおいてすでにオーストラリア、米国、インド、パキスタンなどいくつかの国が認めています。この第三の性に該当する人は、ドイツで約16万人と見積もられています。全人口からすればたしかに少数ですが、絶対数としては相当の数です。単純に日独の人口比でみれば、日本にはこの1.5倍の数の存在が想定されます。

 「LGBT」の差別をなくす、ということは、日本の社会でもすでに各政党がとりあげて議論しています。これは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そしてトランスジェンダーの頭文字を取ったものです。この動きの基本には、自分の性(sex)および性的指向(sexuality)がなんであるかは自分で決める権利があるという理解があり、国際的に広がっています。

◆借用/電通ダイバーシティ・ラボ制作の「セクシュアリティマップ」

 

女性でも男性でもない「インターセックス」とは

 トランスジェンダーは、性同一障害として、出生のときに決定された性を転換する人たちのことを指します。性転換を認める制度は、ドイツでは1980年から、日本では2003年から導入されました。しかし、この制度は、一方の性から他方の性への転換を認めるものであって、男女2つの性に分かれることを前提にしています。日本では、性を転換しようとする人は、肉体上の外見を手術によってそれらしくし、かつ、生殖腺を除去することを強制されます(それなしには性転換が認められない)。これに対して、第三の性を認めるということは、女性でもない、男性でもない、そのまままの状態とあり方を認めるということです。これらの人たちは、「インターセックス」(I)と呼ばれます。

 こうして、婚姻における組み合わせは、いっそう多様になります。一律に「夫と妻」、「父と母」として呼び分けることもできなくなります。厳格な男女二分制度は、じつは近代の法制度であり、いまその変容が進んでいると考えることができます。「日本国の伝統」などと言っていると途方にくれそうです。 

 

 

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