上野の森にブリューゲル展を鑑賞

      2018/02/04


 

 koya tanaka 田中 功也

 

 

1月24日、よく晴れた午後、上野の都美術館へ。一昨日の雪が残り底冷えのする一日。23日に始まったばかりの【ブリューゲル展】を観る。

16世紀のフランドル地方(現在のベルギー) を代表するピーテル・ブリューゲル1世。その画家としての才能は、息子さらには孫、ひ孫たちの代まで受け継がれ、およそ150年にわたり優れた画家を輩出し続けた。

作品は、宗教画、風景画、風俗画、寓意画、静物画など多岐にわたる。通常観ることができない個人所蔵の絵画など100点、そのほとんどが日本初出展である。

ピーテル・ブリューゲル1世の作品で目を引くのは、冬の農村風景を描いた絵画、特に『鳥罠』は当時の農村の情景がよく表現されている。本展ではピーテル・ブリューゲル2世のコピー作品が展示されているが、これも素晴らしい。私は冬のフランドルの農村の絵が大好きである。

ベルギー・ブリュッセルの王立美術館で『鳥罠のある冬景色』の前にしばし立ち尽くた記憶がある。

その他、船の版画の正確な表現、ハガキ1枚くらいの画布に細密に描かれたヤン・ブリューゲル2世の空気遠近法による川辺の風景画、ヤン・ブリューゲル1世の『田舎道を行く馬車と旅人』も 素晴らしい。

一族が拠点としたアントウェルペンには、ルーベンスの祭壇画『キリストの降架』や『キリストの昇架』を観に何度も通ったせいか、懐かしさも感じる。

写真の『野外での婚礼の踊り』や静物画は期間限定で撮影が許された。

 

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