静岡県袋井市豊沢2777
秋も深まった11月12日、遠江国の法多山尊永寺に詣でた。
掛川インターから20分、駐車場から続く長く緩い上り坂の参道には所々紅葉が始まっていた。
遠州、三河一社三山もみじの名所の一つだが見頃は下旬か。
参道が尽きると目の前に高い石段が立ちはだかる。
高齢の人達はここで引き返す人が多いが、何とか二百数十段を登りきった先に秀麗な本殿が待ちかまえている。
法多山尊永寺は高野山真言宗の別格本山。本尊の正観世音菩薩は厄除開運のご利益に霊験あらたかであるとして、古来より俗に厄除観音と呼ばれている。
神亀2年(725)聖武天皇の勅命を受けた行基上人が大悲観音応臨の聖地をこの地に求め、自ら刻んだ本尊正観世音菩薩を安置したのが縁起とされている。
本尊の霊徳は遠く京都に及び、白河、後白河天皇の勅願篤く定願寺の列に加えられていた。
その後、今川、豊臣、徳川など武将の信仰を得て、特に慶長7年(1602)家康より五万石の格式をもって遇せられ、一山、十二坊の宝燈が栄えたが、明治維新に朱印地返還、十二坊を廃して総号尊永寺と改め今日にいたる。