寿禄短歌の会・広渡清吾(9)◎秋思の候new

   

 
「文芸部的初恋」のころ
 

 「潟州町青春記」風にいうと、福高時代のぼくの居場所は、文芸部、剣道部、そして総務部でした。「文芸部 青銅 あかね 研修科 随筆日誌 木曜句会」、「総務部は とおる ひでとし すみこくぼ ようこあんどう せいごで5人」と短歌にもじりましたが、これに「剣道部 素振り初段の 成果あり ひときわ目立つ キャプテンたかし」を加えます。素振り初段は、高校で剣道をはじめたぼくのこと、「たかし」は、すでに潟州町青春記に登場した下枝君です。

 さて『「文芸部的初恋」のころ』のことです。これは、市丸さんの「春愁や 魂ゆらす言の葉に まだ会えずして はや夏立ちぬ」(2024年5月)に接したときに、老境の日常を詠んでもこれは難しいぞ、生涯で一番、センチメンタルでロマンチックな少年時代を想い起こしては、と思いついたのが動機です。この題で短歌連作を試みましたが、少年の魂はゆれていたとして、「魂ゆらす言の葉」は、やる気だけは認めよう、ということにしてください。

文芸部発行の「青銅」には4つ創作をかきました。最初の作品の題が「初恋」です。

恋の始まりはこうでした。

日記は「君」のことばかり。

最初の出会いなので、相合傘とはまだいきません。

玄界灘の晩夏の浜辺です。

相当に思い切ったパフォーマンスです。

丸善は待ち合わせの場所としていいところです。洋書にはなんの関係もなく。

ゲーテには若い女性がゲーテらしき男性に恋焦がれる詩がありますね。

二人はずいぶん接近しました。

初恋は、終わりがあるから「初」恋なのでしょう。突然の破局、その理由はともあれ…。少年の恋は相手ではなく、自分の夢を恋しているようなもの、恋の終わりとは夢見る自分との別れです。

 

 

 

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