万葉集から演歌まで 好きな詩・短歌・俳句・歌詞を教えて下さい。  ( 027 春の唄 )

      2024/01/29

 

「新妻」はお好きですか?

 

春になると、どこからともなく聴こえてくる歌があります。
都会に住み、日々忙しく季節のない暮らしをしていても、春になるとこの歌が新しい季節の到来を教えてくれます。

そして気が付くと自分でもラ・ラ・ラと口ずさんで、新しい季節に希望を託しているのです。

 

~春の唄~ (クリックでYouTube歌唱を聞くことが出来ます。)

春の唄 1937年 作詞:喜志邦三 作曲:内田 元 歌:由紀さおり・安田祥子

 

(JASRACよりの、「著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権(送信可能化を含む。)」を侵害したとのご指摘により、歌詞及び歌詞の一部を含む前後の文章は2024年1月26日削除」

(JASRACよりの、「著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権(送信可能化を含む。)」を侵害したとのご指摘により、歌詞及び歌詞の一部を含む前後の文章は2024年1月26日削除」

 

国民歌謡とは・・・NHK大阪中央放送局文芸課長だった奥屋熊郎の発案で、家庭で歌える明るく清新な歌を普及させようという目的で制作・放送された一連の歌のこと。昭和11年(1936)から昭和16年(1941)まで、ほぼ1週間1曲のペースで放送され、その中から「春の唄」をはじめ、「朝」「椰子の実」などの傑作が生まれた。

 

ところで、この歌にも登場する「新妻」という言葉を、
皆さんはどう思いますか?

私はこの歌詞の中でもとりわけ

(JASRACよりの、「著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権(送信可能化を含む。)」を侵害したとのご指摘により、歌詞及び歌詞の一部を含む前後の文章は2024年1月26日削除」

この辺りを口ずさむと、例えば石田ゆり子扮する新妻が「待って待って・・・」とほほを上気させながら、走り去る花売りの車を追いかけてくる映像が目に浮かび、気持ちが華やぎます。

因みに新妻を英訳すると「new wife」となりますが、比べてみると、日本人の繊細な美意識が際立ちますよね。

それはさておき問題なのは…
ジェンダー意識の高まりからくる"言葉狩り"の波が、「新妻」にも迫ってこないかという心配です。「新妻」という言い方は、「古女房」には気イ悪いので廃止しようとか何とか・・・!

お内儀・ご新造・ご内室などの雅やかな呼び名はすでになく、奥さん、家内、おかみさん、嫁、嫁ぐなどの表現も、男女の性差を助長するものだから廃止、またカップルは男女とは限らないので、全部まとめて「パートナー」と呼ぼうという動きがあるらしいですね。

そんなことになったら、詩や文学は荒れ果ててしまわないでしょうか??
もちろん社会での活躍の場で性差別があってはならないことは承知の上で言いますが、
男女を表現する言葉に違いがあって、どこが悪いのでしょう?
そんなに何もかも平等にして、何が面白いのでしょうか?

性急に今のような言葉狩りをつづけ、長い年月をかけ先人たちが磨きあげた美しい日本語と、そのやわらかな多様性を捨て去った後に残る荒廃の責任を、誰がとってくれるのでしょうか。

 

 

 

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