行基さんの土塔

      2020/05/17

◆手前が模型、
後方が土塔の裏側

◆行基
菩薩

 

 

泉北高速鉄道・深井駅から東へ1㎞、12~3分歩くと右手に史跡「土塔」が見えてくる。堺市中区土塔町の広い公園の一角。その大きさと青空に映える美しさに圧倒される。

土塔は、堺出身の奈良時代の僧・行基が建立したとされる四十九院のひとつ大野寺の仏塔。鎌倉時代の「行基菩薩行状絵伝」にも本堂、門とともに「十三重土塔」が描かれている。

一辺53.1m、高さ8.6mの十三重の塔で、各層全面に瓦が葺かれている。その数は6万にも及ぶ。各層の垂直面にも瓦を立てて、風雨による盛土の崩壊を防いでいた。瓦の製作年代から、室町時代まで瓦葺きの補修が行われていたことが分かる。「行基年譜」の記述と同じ「神亀4年」と記された軒丸瓦も出土している。

現在の塔は、全体を盛土で保護し、十二層まで復元したもの。460m北には行基が天平13年(741)以前に造った「薦江池」(こもえいけ)ではないかと考えられる「菰池」という溜め池もある。

三日続きの快晴に恵まれた25日、お昼前のいい散策となった。

 

 

 

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