簡単★うまうま 我が家ごはん「晩白柚グラッセ」

      2023/07/29

 

我が家の「晩白柚(ばんぺいゆ)グラッセ」

 皆さんは、晩白柚(ばんぺいゆ)というフルーツをご存じでしょうか? 晩白柚は柑橘類の中でも果実が最大級に大きく育つザボンの一種です。主な産地は熊本県の八代市で、食べごろは早春の1~2月、香りがよく、やわらかな酸味と甘味が魅力です。
 庭で育てていた晩白柚が今年も実を付けました。我が家ではその実を美味しくいただいた後、皮はマーマレードに、そして皮と果実の間の白い部分はグラッセにして楽しんでいます。

 

“おうち時間”が生み出した手づくりのスイーツ

 グラッセと言うのは、我が家の洒落た呼び方で、晩白柚の砂糖漬けのことです。
 中学生の頃に「ザボン漬け」と言うものを食べて、とても美味しかったことを記憶しています。ブンタン(ザボン)類で最も大きいのが晩白柚です。私が食べた「ザボン漬け」は、晩白柚より小さい文旦で作られたものだったかもしれません。

 私が初めて晩白柚に出会ったのは40年前です。沖縄から東京に転勤した時、晩白柚の特産地である熊本県八代市出身隊員の父兄から送っていただいたのです。皮をむくのが大変でしたが、大きな果実とよい香りのすっきりした甘酸っぱさに喜んだのを思い出します。その時は、分厚い皮の部分は捨てました。

 それから5年ほど後に、たまたま群馬県の知人から小さい晩白柚の苗をいただき、庭の隅に植えたのですが、大きくなっても実をつけませんでした。ところが、10年ほど前から実をつけて、毎年又は隔年に1、2個の実が大きく育つようになりました。

 

 

 

 食べてみて、以前に食べた美味しい味を懐かしく思い出しました。食べる度に「分厚い皮がもったいないね。」という会話を妻と交わしていましたが、コロナ禍のなかで、妻が「砂糖漬けにしよう。」と言い出し、3年続けて作っています。
 妻は「晩白柚グラッセ」とネーミングをして、満足気に味わっています。レシピは簡単です。ネットにも分かり易い記事がありますが、我が家のようすを紹介させていただきます。興味を持たれた方はぜひ作ってみてください。

 

作り方

 先ず、スイカを切るように上下の部分を、1センチくらいの厚さで切り取ります。次に、真半分に縦に切り、更に8等分に切り分けます。中心の果実(房)の部分はミカンと同じように食べます。

② 黄色の表皮(ピール)を5ミリくらいの厚さで薄くむいて取り、残る白いスポンジ状のわたの部分を砂糖漬けにします。薄くむいた表皮はマーマレードにします。晩白柚の香りがして美味しいです。

③ このわたの部分を2~3センチの長方形に切り分けます。水を入れ沸騰させた鍋に酢を少
し(大匙1杯ほど)加え、その中に小片に切ったわたを入れて煮ます。入れて直ぐは軽くて沈まず浮いてしまうため、落とし蓋を被せて10分ほど茹で、茹で汁をこぼします。更に1、2回同じように茹でこぼします。

④ 茹でて、十分に柔らかく水分を含んだら、10分ほど水にさらし、その後手でしっかりと絞って水気を取ります。型崩れはしません。これを空の鍋に戻し、水気を抜いたわた部分の重さの7割から同量くらいの砂糖のみを加えて、弱火でゆっくり煮詰めます。砂糖が浸透して煮汁が出て来ますが、じわじわと水分は飛んで行き、水気が無くなったら出来上がりです。

⑤ べとべとしている状態のものにグラニュー糖をたっぷりとまぶし、クッキングパットに網を置いて、その上に拡げます。

⑥ 最後は乾燥です。干し網に入れて、ベランダで天日に干します。徐々に乾いて表面が少し硬くなって来ます。4日くらいで出来上がりです。長く食べる場合は、冷凍庫に保存します。冷凍庫でも凍りませんから、出して直ぐに冷たく食べられます。

U  M  A  U  M  A  ☆  T  R  I   V   I  A

琉球王朝伝統の銘菓――冬瓜の砂糖漬け

 余談ですが、このような砂糖漬けの中に、沖縄の「冬瓜の砂糖漬け」があります。琉球王国時代から作られ洗練された味です。結構な値段で売られています。ザボン漬けよりも手間と時間がかかるので、なかなか家庭で気軽に作れるようなものではないようです。

 

 

 

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