洛外の古刹「酬恩庵 一休寺」で禅師の徳を偲ぶ。

      2019/01/19

 

1) 会席料理にうっとり・・。

 毎年恒例の立花山麓会(香椎中学同窓会)関西支部の「紅葉狩り」を11月30日に開催しました。
 古希を越しても忙しく動き回っている級友達と、米寿を迎えられても活動的な恩師の予定をお聞きし決定したこの日は、運良く快晴に恵まれました。
 博多から到着された恩師・筒井敬子先生と、忙しい中三重から駆けつけてくれた木下(久我)弓子さん(中学同窓生)、田中功也さん、藤本茂さん、松本広治さん、それに私(以上4名は福高出身者)、の6名で京都駅に隣接するメルパルク京都円山で先ずは昼食会です。
 いつも通り一ヶ月ちょっと前に予約の電話を入れましたら、「おばんざいバイキング」席はすでに予約で一杯で、個室での会席料理になりました。ランチにしてはちょっと高いとブツブツ言っていましたが、蓋をとると、すくい豆腐、旬のもの、刺身に天ぷらと種類が多く「次もここがいい!」と大満足の昼食会になりました。

◆綺麗な青空のもと

◆個室でゆったりと・・

◆すくい豆腐付きの会席料理

 

2) 紅葉にうっとり・・。

 早目に待機していてくれた、いつも頼んでいる大文字タクシーの藤田さんのジャンボタクシーに乗り込み、行き先の相談です。今回は京都府南部の京田辺にある酬恩庵(別名一休寺)へ行くことにしました。藤田さんの話によりますと、近年テレビアニメの「一休さん」が中国や東南アジアで大人気なうえ、京の紅葉の穴場としてここ酬恩寺がテレビでとりあげられたそうで、観光客が急増しているそうです。確かに近付くにつれ、見学帰りの人で里の道は溢れていました。
 ここ酬恩寺は、一か所に長く住む事のなかった一休禅師が、珍しく定住され88歳で示寂された場所です。総門を潜った瞬間、色とりどりの紅葉と綺麗に刈り込まれた庭木、それに苔の深い緑色との鮮やかな色の対比に目を奪われます。無造作に積み上げられたように見せ調和のとれた石垣、美しい石畳も禅の心を表わしているのか、妙に心が落ち着きます。

◆総門の前で

◆境内案内図

◆美しい紅葉のスライドショー

 

3) 一休さんとさよちゃんの話にうっとり・・。

 少し歩くと宗純王廟(一休禅師の墓)があります。門扉に菊花の紋があり、藤田さんに聞きますと面白い話を聞かせてくれました。
 「一休さんは後小松天皇のお子で、アニメで髭を生やした若い侍が出てくるでしょう?あの新右衛門は今で言うボディーガードですわ。さよちゃんって出てくるでしょう?アニメでは百姓の娘として出てきますが、本当は高貴な出でね。一休さんが生涯想いを寄せていたお方ですわ。後年そのさよさんが、この地に一休さんを呼び寄せ、身の回りの世話をする人も寄こさはったそうですわ。」
 一休さんが亡くなる6年前に建立された宗純王廟は、室町時代の古風な美しさを残し、ここに一休禅師は眠っておられます。

◆宗純王廟の前で

◆宗純王廟

◆本堂

 

4) 方丈庭園にうっとり・・。

 少し進むと重要文化財の唐門を見ながら庫裏を通って、同じく重要文化財の方丈に行くと一休禅師の木像が安置されています。入ると先ず南庭が広がり、びっしりと葉が茂ったサツキの見事な刈り込みの緑と、白砂の美しさに目を奪われます。形のいい蘇鉄も目を引きます。暫し座って、手入れの行き届いた庭園に見惚れ、浮世を忘れ素敵な時を持ちました。
 回廊を渡り北庭に出ると、そこは一転して枯山水造りの庭になっています。形のいい巨石は適所に配置され、低く刈り込まれた庭木、そして一面に広がる苔の美しさ!!
 一休禅師がおられた頃は、ここから木津川を上下する白帆が見えたそうで、遠くに比叡山も望めたそうです。南庭と北庭の変化が素晴らしく、「お見事!お見事!」とつい独り言。

◆庫裏と方丈と唐門

◆一休禅師像

◆方丈庭園・南庭。

◆方丈庭園・南庭で、浮世を忘れた素敵な時を過ごし・・・。

◆方丈庭園・東庭

◆方丈庭園・北庭

 

5) ぜんざいにうっとり・・。

 一休さんが考案し作ったと伝えられる「ぜんざい」と「一休寺納豆」とで一服し、開山堂や重要文化財の鐘楼、一休禅師の像や碑を見て出口に近づくと、アニメで親しみのあるかわいい一休さん像が木陰で居眠りしていました。「かわいい!」とみなカメラでカシャリカシャリ。
 今回は京都から奈良に出る大和街道の里山にある庵で、移動に時間がかかり一か所しか行けませんでしたが、なかなかいい紅葉狩りになりました。用事のあった弓子さんは長距離バス停で降り、残りの五人で、いつも行く青蓮寺近くの「蓮月茶や」で京の豆腐料理に舌鼓を打ちました。

◆庫裏の廊下には・・。

◆ぜんざいと一休寺納豆

◆美味しく頂いて

◆本堂

◆一休さん

◆このはしわたるべからず

◆かわいい一休さん?

 

6) 一休さんのお陰!

 その夜先生は私の家に泊まられ、翌朝のことです。「とんでもない事が起こったよ!まぁ見てごらん!」と言われる先生と一緒に和室に降りて行ってビックリ!!!先生が寝ておられた布団の横に、蛍光灯の大きなカサが落下し破損しているではありませんか!!!いつもは二人か三人で泊まられるのですが、たまたま今回は先生お一人でしたので、布団を少し隅に敷いたのが幸いしました。5月のあの大震災から半年以上も経って、何も先生がお泊りの夜にネジが弛んで落下するなんてね!幸い怪我もなく先生と二人で、「一休さんのお陰、一休さんのお陰」と手を合わせました。
 昼食をとり、兵庫県に住む井上(石松)正子さん(中学同窓生)と阪急梅田で待ち合わせました。久しぶりの再会を喜び、「金子みすず展」「ミキモトパール展」「戸塚刺繍展」を見て回りました。その後の喫茶店で、女三人のお喋りが尽きなかった事はご想像通りです。(笑)

◆まぁ見てごらん!

◆お喋りが尽きない・・・。

- 終 -

 

 

 

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