星紋華やか2つ目の曜変天目

      2019/07/22

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

◆曜変天目茶碗

◆曜変天目茶碗

◆曜変天目茶碗

◆静嘉堂文庫美術館

◆静嘉堂文庫図書館

 

 

昨5月21日の東京は、一日激しい雨と風にみまわれたが、今日は朝からからっと晴れて、爽やかな天気に恵まれた。午後、世田谷の静嘉堂文庫美術館に足を運んだ。

岩崎弥之助、小弥太父子が蒐集した国宝7件、重文83件を含む20万冊の和漢の古典籍と6500件の東洋古美術品で知られる。

中でも国宝「曜変天目茶碗」(稲葉天目)は、世界に現存する3碗の中で最も星紋の華やかなもので、中国陶磁の至宝。

3碗は全て日本にあり、1点は5月17日に奈良国立博物館で観た、大阪の藤田美術館所蔵。もう1点は、京都の大徳寺龍光院所蔵。

曜変の現れる薄膜の結晶が作り出す光彩は、3碗ともに異なった様相を示している。

南宋の皇帝に献上され、また日本の足利将軍が手にした可能性のある曜変天目は茶碗の最高峰といってもいい。神秘的な青を基調とした様々な曜変天目の光彩は人々を魅了してやまない。

この日は、「日本刀の華 備前刀」展が開かれていた。「古備前高綱太刀」や「古備前行光太刀」、「嘉禎友成太刀」など4振の重文、重要美術品11振を含む32振の刀剣、刀装小道具など、イヤホンガイドを聞きながら観て回る。

世田谷の奥まったところにある美術館にもかかわらず、たくさんの老若男女の好事家が訪れていた。最近の傾向で、若い女性が多い。

1、刀の姿を見よう 2、刃紋を見よう 3、地金を見よう の案内に従い、伸び上がったり、しゃがんだり、右から左から角度を変えながら、刃紋や梨子地、板目、柾目などの肌に見入っていた。日本刀の美しさに改めて感動する。

鬱蒼とした自然林がそのまま残る庭園は、緑の濃さを増していた。

都心から遠く離れた地にも、まだまだ知らない素晴らしい美術館があり、嬉しくなる。

住宅街では、早くもアジサイの花が咲き始めていた。

 

 

 

 

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