新日本歳時記/寿禄会版・水仙

      2023/07/29

◎今日の一枚/寒さの中で咲く水仙

 スイセンの原産地は地中海沿岸。シルクロードを経て唐に渡ると、その清楚な姿から水に住む仙女にたとえられ水仙の名がつけられた。わが国に渡来したのは平安時代末期頃。大陸から黒潮や対馬海流に乗って漂着した種子が根付いたもので、遥かな旅路をその身に秘めたドラマティックな花である。学名はナルキッソス。美少年だった牧童ナルキッソスが、水面に映る自らの美貌に見とれて動かず、とうとうスイセンになってしまったというギリシャ神話に由来している。

撮影者

田中 功也
 晴れて穏やかな寒の入りとなった1月6日9時過ぎ、寒中見舞いの葉書を投函しがてら、朝の散歩に出る。近くの公園にはジョギングや散歩を楽しむ人たちが行き交っている。厳しい冷気が肌を刺すが、しばらく歩いていると体がぬくもり、手袋が邪魔になってくる。黄色い水仙はたくさんの花を咲かせ、公園の一角を暖かく染めている。今日もいい一日になりそうである。

撮影日

2023年1月6日(寒の入り)

撮影場所

大阪府和泉市

 

 

 

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