新日本歳時記/寿禄会版・小糠雨

      2023/07/29

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◎今日の一枚/雨の長岡天満宮

 「糠」は米を精米するときに、白米の周りについている部分を削り落とした「ぬか」のこと。粉末状の糠はキメが細かく、昔から洗顔料としても用いられてきました。そんな細かい糠にさらに「小」をつけ、音もなく細かく降る雨のことを詩的に「小糠雨」と表現します。
 粒子が細かく勢いも弱く、肌にふれても心地よく感じるような春の雨。小糠雨は1年中使える言葉ですが、今の季節に降る雨にこそふさわしい、風情がある表現ですね。 ※編集部

撮影者

田中 功也
 4月25日、京都府長岡京市天神の長岡天満宮を訪れる。阪急京都線特急停車駅の長岡天神駅から0.7km、徒歩9分。菅原道真公が、在原業平とともにこの地にしばしば遊んで、詩歌管弦を楽しんだ。この地に格別な思いを寄せる公は、太宰府左遷の折立ち寄って、「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しんだことから、公自作の木像をお祀りしたのが本宮創立の由来。爾来、皇室の崇敬篤く、寛永15年(1638)八条宮智仁親王により八条ヶ池が築造された。

 八条ヶ池中堤両側に樹齢百数十年の霧島つつじが多数植えられており、その見事さは我が国随一といわれる。例年4月下旬が見頃といわれているが、この日はすでにほとんどの花がしおれて、雨の中一部に名残が残るのみだった。

撮影日

2023年4月25日

撮影場所

京都府長岡京市

 

 

 

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