新日本歳時記/寿禄会版 見本

      2023/02/20

見        本

 いきなり寿禄会版の「新日本歳時記」を作るといっても、イメージしにくいという方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな方のために、これまでに皆さんが投稿してくださった写真をもとに、出来上がりの見本を作成してみました。ひとりでも多くの方に参加いただけるようにと、できる限り沢山の方の投稿写真で見本を作成しています。

 文章を書くのは苦手という人も、こちらの投稿企画なら気軽に参加いただけるのでは? 日常生活や旅先でふと心に触れた「今日の一枚」にタイトル・撮影者名・撮影の日時・撮影場所を明記し、撮影時の簡単なエピソードなど書き添えてお送りください。"歳時記風"に整えるのは、編集部で行いますのでお気軽に。

寿禄会HP編集部 市丸幸子

 

 

◎今日の一枚/薩摩半島に春が来た

 2月下旬頃から「指宿フラワーパーク」には、「伊豆の踊子」という品種の早咲き桜が咲き始め、3月初めに満開となってメジロが大喜び。この時期、フラワーパークにはチューリップをはじめ様々な花が咲き誇りまさに百花繚乱、一足先に爛漫の春となる。

◎今日の一枚/鹿児島・姶良のレンゲ畑

 鹿児島県の中央部、姶良(あいら)市の山間に広がるレンゲ畑。春になるとあたり一面がピンク色に染まる。ミツバチが集めるレンゲの蜂蜜は品質が良く最高級ランクとして人気が高い。レンゲはやがて田んぼにすき込まれて肥料となり、美味しい米を育てる。サスティナブルな大自然の循環だ。

撮影者

小田 紘
 植物が芽吹き花をつけ、虫や鳥の力を借りて次世代へと生命をつなぐ春。昆虫や花や動物の中でも、とりわけ小さなものが好きな私にとって、春は一番楽しい季節です。

撮影日

2019年2月~3月

撮影場所

鹿児島県指宿市/姶良市

 

 

◎今日の一枚/田の神(たのかん)さあー

 『田の神さあー(たのかんさあー)』はその名の通り、田んぼの守り神として、五穀豊穣を願って信仰されている農業神。『田の神』信仰は全国にあるが、田んぼの畦道などに石に刻んだ神像を祭る習慣は、鹿児島を中心とした旧薩摩藩領(鹿児島県全域と宮崎県の一部)にだけ見られる独特の文化で、現在約2,000体の田の神が確認されている。

撮影者

小田 紘
 「田の神さあー」の様式は、作られた時代と地域により様々ですが、基本的には頭に笠(シキ)をかぶり、手にシャモジ(メシゲ)と茶碗を持ったものが一般的です。他には鍬やスリコギ、宝珠などを持っているものもあります。子孫繁栄の願いも込められているらしく、背後から見ると男性のシンボル状をしているものが多く、クスッと笑ってしまいます。

撮影日

通年

撮影場所

鹿児島県一帯

 

 

◎今日の一枚/洛北「原谷苑」で花見同窓会

 「原谷苑」は京都洛北金閣寺から北西に入った山間、原谷にある知る人ぞ知る桜の名所。毎年4月上旬~下旬までと、紅葉の時期の11月下旬~12月上旬に一般公開される。苑内の桜は20数種におよび400本以上。紅枝垂れ桜に始まって、薄墨桜、染井吉野、八重紅枝垂れ桜、黄桜、緑桜、菊桜、郷桜などが4月下旬まで絶え間なく咲き続けてまるで桃源郷。

撮影者

山本 智子
 毎年恩師を迎え、京都で開催している香椎中同窓会(立花山麓会)を今年は4月4日に開催しました。京都駅に集合の後、いつも案内をお願いしている運転手さん運転のマイクロバスで、洛北の隠れ里「原谷苑」に直行。ピンクの枝垂れ桜だけではなく、ピンク(シャクナゲ)、黄色(ヤマブキ)、白(雪柳)、茶(紅葉)などの華麗な競演を堪能。うっとりと夢のようなひと時を過ごしました。

撮影日

2018年4月4日

撮影場所

京都府京都市北区大北山原谷乾町36 原谷苑

 

 

◎今日の一枚/播州龍野の寅さん

 私は映画「男はつらいよ」のファンであるが、中でも気になるのがそのロケ地。学生時代、横長のリュックを担いで旅した「カニ族」の一人として、試験休み等に各地を巡ったことを懐かしく思い出す。昔訪ねた土地は50年を過ぎ、変貌を遂げていることだろう。再度訪れて確かめてみるのが、今の私の楽しみである。

 龍野は播磨の小京都といわれる城下町。日本の原風景として古き良き風情を残すこの町は、映画「男はつらいよ」の監督および脚本で知られる山田洋次監督にとって、願ってもないロケーションであった。

※龍野は童謡「赤とんぼ」の作詞者・三木露風の故郷でもあり、写真の書店には露風も通ったという。

撮影者

齋藤 利久
 龍野がロケ地に選ばれた「男はつらいよ《第17作》寅次郎夕焼け小焼け」は、シリーズ中一、二を争う名作。マドンナ役を演じたのは異色の女優太地喜和子でした。この古い町で、溌溂と健気に生きた芸者ぼたんは太地喜和子の当たり役。寅さんとの相性も最高でした。
 そんな寅さんの恋をリスペクトして作った私の句
赤くなり青くなりして寅の恋
が、小学館が募集した寅さん川柳に入選したのは忘れられない思い出です。

撮影日

2017年8月頃

撮影場所

兵庫県龍野市

 

 

◎今日の一枚/カナダで初のカヌー体験

 家族でカナダに留学中の、長男の嫁と孫三人がこの夏一時日本に帰国。カナダに戻っていくときに私も同行し、8月22日からカナダに滞在していて今日は8日目。あちこちに連れて行ってもらい毎日楽しく、今日はカヌーに初挑戦した。

撮影者

山本 智子
「バーバラ(←私のこと)、歳を考えや。初めてやのに一人乗りはやめとけや。俺の前に乗したるから」と止める孫を振り切って、一人乗りカヌーに乗って漕ぎ出すと、結構うまく進みました。「えーっ!」とみなビックリ! 湖ですれ違ったボートの四人組にも「Good girl!」なんて声を掛けられすっかり有頂天に。調子に乗って次はバンジーをやると言うと、「途中で心臓麻痺を起したらどうすんねん」とさすがにこちらは即却下されました。明日は乗馬の初体験に行ってきます。

撮影日

2019年8月29日

撮影場所

カナダ(特例として)

 

 

◎今日の一枚/シャンソンとワインと赤いコート――初めてのフランス旅行

 私はフランスの近代史に興味を持ち、ヴィクトル・ユーゴーやロマン・ロランの小説を愛読。妻は仏文学を履修しフランス・パリにあこがれていた。旅行は平成12年(2000年)、私が陸上自衛隊を定年退職する直前の10月上旬のこと。初めての海外旅行で何の知識もない私達は、「パリだけに1週間」と決め、さまざまに計画を立てた。

撮影者

竹田 範弘
 この旅行では鉄道・地下鉄利用のほかは歩き回ることにしていて、旅行前しっかりと予習をした妻の頭にはパリの市街図が。かつてサルトルやボーヴォワール、ピカソ、ランボー、カミュ、ヘミングウェイらが通ったというカフェや、芸術家たちのたまり場として高名なシャンソニエなども自力で探し当て、充実したパリの休日を楽しみました。

撮影日

2000年10月10日

撮影場所

フランス・パリ

 

 

◎今日の一枚/京都「洛北」宝泉院(額縁寺)

 宝泉院は、京都大原三千院の参道奥にある勝林院の僧坊(僧侶が住む建物)の一つ。またの名を額縁寺といい、柱や鴨居を額縁に見立てて、樹齢500年を超える五葉の松を鑑賞する額縁庭園が有名。特に紅葉の季節は、松の緑に配する赤や黄色の色どりが、まさに一幅の絵を見るように美しい。

撮影者

藤本 茂
 宝泉院に入ったのは、午後3時過ぎ。写真を撮ってみると、柱や参観者の影が長く尾を引くのが強調され、幻想的な写真を撮ることができました。また、格子越しに鑑賞する鶴亀庭園や、緋毛氈の上で頂くお抹茶、理智不二(りちふに)と命名された二連式の水琴窟の澄んだ音色にも癒されました。庭園の名は「盤桓園(ばんかんえん)」といい、「立ち去りがたい」の意味があります。

撮影日

2019年11月11日

撮影場所

京都府京都市左京区大原勝林院町187 宝泉院

 

 

◎今日の一枚/草津温泉「湯畑」

 毎分4,000リットルという、豊富な湧出量を誇る日本屈指の名湯「草津温泉」。そのシンボルである湯畑(ゆばたけ)は温泉街の中央にあり、草津温泉に6つある源泉の一つ「湯畑源泉」が湧き出るところ。51〜95℃という熱々の源泉を、7本の桶を通すことで湯温の調節を行い、周囲の温泉宿に運んでいる。

撮影者

市丸幸子
 湯の町らしい賑やかな喧騒の中、勢いよく流れ落ちる湯畑源泉。夜にはライトアップされ、昼とは違う幻想的な表情を見せてくれます。行列ができる人気店など、多くの人が良いというベストセラー商品や流行りものには、とりあえず反抗しがちな私ですが、ここ草津温泉だけは、まんまとハマってしまいました。(笑)

撮影日

2017年11月11日

撮影場所

群馬県吾妻郡草津町 草津温泉「湯畑」

 

 

◎今日の一枚/京都「洛東」高台寺で年越し

 京都「洛東」高台寺は、豊臣秀吉の正室ねねが、慶長11年(1606)に秀吉の菩提を弔うために開いた寺。希望者には大晦日午後10時に整理券が配布され、先着108組が除夜の鐘を撞くことができる。高台寺天満宮では、限定御朱印「金の夢」109枚が授与され、大晦日午後10時から元日午前1時30分まで、初参りのため開門される。

撮影者

黒川勝利
 四条河原町近くにとった宿を早めに出て、午後8時前に高台寺に到着。10時から番号札の配付が始まり、我々は35番の札を頂きました。10時近くになると鐘楼近くでかがり火が焚かれ、有志の方々によって甘酒がふるまわれました。

撮影日

2019年12月31日

撮影場所

京都市東山区高台寺下河原町526 高台寺

 

 

◎今日の一枚/可愛くても百獣の王

 中国では百獣の王は虎をさすという。虎がひとたびうそぶくと、百獣は倒れ、草木はなびくと云われている。虎の勇ましくしなやかに見えるその姿は、数々の武人たちに好まれた画題でもあった。
 虎が自分の子を大事にすることから、大切なもののことを「虎の子」と表したりする。男の子が生まれた時の「張り子の虎」は、子を守る縁起物(魔除け)として好まれている。寅年生まれの人は、集団で行動することは少ないようだが、実力者も多く、常に上を目指す人が多いと言われている。

撮影者

田中功也
 今年も香椎中学の恩師から、寿禄会の山本智子さんを通じて、干支の博多人形が届きました。コロナ禍で売れ行きが激減し、今年は受注生産のみとか。90歳を超えた先生が予約し、わざわざ店まで足を運んでくださったとのことで、頭が下がります。先生をお迎えし、京都で春、秋に開いている同窓会は、この2年間開けておらず残念です。

撮影日

2021年12月27日

 

 

 

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