寿禄 博多にわか塾(4)

      2023/07/25

 

 

  『鰻屋繁盛記』 作 風流人

「ふてえがって どうじゃろかい。
この頃は寒の土用でん、丑の日は鰻屋の繁盛しようごた」
「そうたい。こん前女房ば連れて行ったとばって、
 大将の殺気立っとってくさ、怒鳴らっれしもた」
「何て?」
「このくそ忙しか時につまらん冗談に付き合う暇は無か。帰ってくんなっせ!」
「何て言うたとや?」
「ひまつぶし 2丁」

弟子

先生質問ですが…この博多にわかのどこら辺が可笑しいとでしょうか?

風流人

ずるっ! 名物『ひつまぶし』を食べたことの無か貧乏人には、この「にわか」は判らんでしょな。そげな人は今晩でん、奥さんば(さっちが奥さんばい)鰻屋に連れて食べてみらんですか。

ひつまぶし【櫃まぶし】

愛知県名古屋市発祥の名物料理。櫃(ひつ)に入れた飯の上に、うなぎを蒸さずに焼いたかば焼きを細かく刻んで汁と共にのせたもの。茶碗に盛り、一杯目はそのまま、二杯目はわさび、海苔、刻みネギなどの薬味を加え、三杯目は煎茶(せんちゃ)やだし汁をかけて味の変化を楽しむ。

 

 

 

 - コラムの広場