奈良公園で若草鍋を賞味

      2020/01/03

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

 

 

11月も末となった26日、奈良公園へ。昭和天皇も召し上がったという若草鍋を味わう。公園内に点在する草庵風の店「江戸三」。明治40年創業の料理旅館で、多くの文人墨客が訪れた。当時の雰囲気がそのまま残る

海のない奈良県にあって、各地の美味しい素材を集め、その具材を組み合わせて絶品の鍋にした。炭火を使い、土鍋で炊き上げる。

ほうれん草を土台にこんもり盛り付ける鍋を、新緑の若草山に擬え「若草鍋」と命名したのは志賀直哉。フランスELLE誌に「天皇も賞味された日本版ブイヤベース」として三宅一生が紹介した。

伊勢海老、鯛、鯒、鱧、蛤、鰤、ほうれん草、巻白菜、椎茸、春雨、水芋、湯葉、生麩、銀杏、若鶏、赤板など16種を炊き合わせた味は正に絶品。奈良の地酒の熱燗に昼間からほろ酔い気分。後の公園散策が心配に……。

 

 

 

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