フェルメール

      2018/12/08

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

◆牛乳を注ぐ女

◆牛乳を注ぐ女の一部

◆青衣の女

◆恋文

◆小路

◆デルフトの眺望

◆ワイングラス

◆上野公園

 

 

 

 

 深まる秋、木洩れ日も優しい11月20日東京の上野の森美術館を訪れた。今、フェルメール展が開かれている。

 吟味された構図、緻密な筆遣い、優しく穏やかな光り表現を用いながら美しく洗練された作品を残したフェルメール。寡作で現存する作品は35点。そのうち10点が東京、大阪の会場にやって来る。空前の規模である。近くの国立西洋美術館には「聖女プラクセデス」が常設展示されているので、この時期日本で11点の作品を観ることができる。フェルメールファンにはこれ以上の幸せはない。

 目玉となるのは、日本人に大人気の「牛乳を注ぐ女」。会場は撮影禁止だが、手元に2012年8月個人旅行で訪れたオランダアムステルダムの国立博物館で撮った4点の作品があるので参考にお見せしたい。「牛乳を注ぐ女」の他、「青衣の女」「恋文」(大阪会場に来る予定)「小路」(風景画として残る2点のうちの1点)。海外の美術館では撮影自由なところが多い。

 これまでアムステルダムの他、同じオランダのハーグのマウリッツハイス美術館で、これも日本人に人気の「真珠の耳飾りの少女」、最高傑作といわれる「デルフトの眺望」「ダイアナとニンフたち」、ウイーンの美術史美術館で私の最も好きな「絵画芸術」、パリのルーブルで「天文学者」「レースを編む女」、エジンバラのスコットランド国立美術館で「マルタとマリアの家のキリスト」観ている。かって国内で開かれたフェルメール展で観た作品を合わせるとゆうに20点を超える。

 マウリッツハイスを訪れた時は、殆ど人はいなくて妻と二人の貸し切り状態で、「デルフトの眺望」と「真珠耳飾りの少女」を静寂ななかで心行くまま鑑賞するという夢のような時間を過ごすことができた。

 今回初来日の「ワイングラス」「赤い帽子の娘」の2点は初めて見る 。門外不出の作品や1990年盗難に遭って未発見の「合奏」のように鑑賞不能の作品もある。

 北のモナリザといわれる「真珠の耳飾りの少女」(青いターバンの少女)は泥まみれでオークションにかけられ二束三文で落札されたという。修復でフェルメールブルーや顔の表情が見事に蘇り、今では値がつけられない。

 350年前、17世紀のオランダで、ごくありふれた日常の生活を描いた風俗画。自由自在に光りを操ったフェルメールは私の最も好きな画家の一人である。

 「デルフトの眺望」「ワイングラス」の写真は複製画を撮ったもの。

 

 

 

 

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