ドイツのクリスマス ①アーヘン

      2021/12/31

 

 

アーヘン紋章

 

  アーヘン Aachen

 

カール大帝の威光を偲ぶフランク王国の中心都市

 緯度でいうと北海道よりずっと北にあるドイツ。冬は長くて暗く、寒さは厳しい。
 ドイツ中西部のアーヘンを訪れたのはこんな寒い冬の一日。娘一家がオランダに住んでいた2009年12月2日、クリスマスの時期である

 アーヘンは、ベルギー、オランダとの国境に近く、カール大帝の威光を偲ぶ古都。フランク王国の中心都市として長い栄光の歴史を誇っている。

 大帝は紀元800年、アーヘンで帝位を継ぎ、814年この地に没した。以後16世紀中葉フランクフルトにその地位を譲るまで7世紀の間、30人の歴代のドイツ皇帝がアーヘンで戴冠した。近世に入っては17世紀のスペイン継承戦争と18世紀のオーストリア継承戦争の講和条約がここアーヘンで結ばれた。今では、温泉保養地として知られている。

 市の中心部にはカール大帝が8世紀に創建したドイツ最古のロマネスク風聖堂の一つ、大聖堂(ドーム・Dom)がある。その後ゴシック様式などを加えた。堂内にはカール大帝の廟、皇帝の玉座、バルバロッサ王の贈ったシャンデリア、その他歴史的に貴重な宝物や美術品が収められている。

アーヘン大聖堂:スライドショー(縦2枚、横5枚)

大聖堂内部:スライドショー(横11枚、縦1枚)

 12月2日(水)、孫がオランダ南部ティルブルクの現地小学校の授業を終えた午後12時を少し回った頃、フォルクスワーゲンの中古車で出発。途中シンタクロース(オランダのサンタクロース)やピート(サンタクロースの従者)が乗った車を追い越したり、すれ違ったり。1人のはずのシンタが2人乗っている車もあり、孫がびっくりしている。ずっと雨が降り続き、100㎞/h超で走る高速道路は恐い。

 1時半ドイツとの国境を越えるとそこはもう人口26万人のアーヘンの街。地下の駐車場に車を止め、2時頃から傘をさして旧市街へ。かなり寒い。建物から何までいかにもドイツらしく、オランダ・ベルギーとはまた違った趣があって面白い。

◆アーヘン市内

◆クリスマスの菓子で溢れる店のショーウィンドウ

アーヘンの街角で:スライドショー(横4枚)

 大聖堂の大きさは圧倒的。寒さを避けて入った人形屋で土産物を物色するうちに雨があがる。大聖堂の中も素晴らしく、2ユーロを払って写真を撮る。人の数が次第に増えてくる。

 孫たちが大好物のホットココアを嬉しそうに飲んでいる。小腹がすいて、フライドポテトが美味しい。

◆(左)ひと休みの軽食、(中)クリスマスマーケット(娘と孫たち)、(右)同(夫婦二人で)

 

アーヘンのクリスマスマーケット

 ドームの北側の市庁舎前のマルクト広場で開かれているクリスマスマーケットを巡る。ゴシック様式の市庁舎は14世紀の創建。

市庁舎とクリスマスマーケット:スライドショー(横4枚)

クリスマスマーケット:スライドショー(横15枚、縦1枚)

 薄暮の広場に、オレンジ色の明かりの灯ったクリスマス用品を売る出店や、ホットワイン、ソーセージなど食物を売る屋台が並ぶ様を楽しんで、5時40分アーヘンを後にする。

◆クリスマスオーナメント

 暗い高速道路の行く手に満月が霞んでいる。

 

 

 

 - コラムの広場