カメラとともに Vol.9 「ミノムシ雑感」

      2019/01/19

◆藺牟田池のヌマスギ(鹿児島)

ミノムシ雑感 この木なんの木?

―― ミノムシは絶滅が危惧されているってご存じですか? ――

ミノムシは私たちが子供の頃はどこにでも居ましたが、最近は激減し滅多に見られなくなっているようです。そもそもミノムシの中味はオオミノガやチャミノガなどといった「蛾」の幼虫ですが、近年オオミノガの幼虫に寄生するオオミノガヤドリバエという外来性のハエがはびこってきたためだそうです。

この秋、偶然にミノムシが大挙してぶら下がっている木を見つけました。場所は秘密です^^)。しかしミノムシが居るのはその木1本だけで、まわりには全く見つかりませんでした。しかも、その木が何という木かよくわかりません。6月には小さな白い花がいっぱい咲いていました。ご存じでしたら教えて下さい。いずれにせよ謎が多く、これは一つ調べてみる価値がありそうです。

ミノムシのコロニー(?) 発見!
今年の10月初めに見かけたミノムシです。蓑を形づくっている細い木の枝は両端がきれいに丸く削られているのがみごとです。

 

この木なんの木?
ミノムシがたくさんついていた木です。6月にはこのように真っ白な小さい花がびっしりとついていました。何の木か教えて下さい。

 

イシガケチョウ
ちなみに、この木にはイシガケチョウがきて花の蜜を吸っていました。イシガケチョウは複雑な黒色のすじ模様をもつやや珍しいチョウです。残念ながらこの個体は翅がだいぶ傷んでいました。

 

 

そして、誰もいなくなった ―― Q&A に見る世相 ――

その昔・・・

Q:ミノムシはなぜミノムシっていうの?
A:幼虫が着ている服が雨具の蓑(みの)に似ているからだよ。

それからやや時代は移り・・・

Q:蓑ってなあに?
A:昔つかわれていた雨具で、身につけた姿がミノムシに似ているよ。

そして・・・

やがてミノムシは絶滅し、人々は蓑もミノムシも知らない時代がやって来た。当然ながら話題にのぼることもなくなった・・・、とさ。

《編集部より》

植物に詳しい人に尋ねたところ、小田さんがミノムシを発見された木は、関東以西に分布するブルーベリーの仲間で、シャシャンボ(小小坊)というのだそうです。晩秋には濃い紫色の実をつけ、その愛らしい様子から「小小坊」と名付けられたのだとか。実は甘酸っぱく、ジャムなどに利用されるそうですよ。

 

 

 

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