カメラとともに Vol.7 -ザ・擬態-

      2017/09/24

小さな生き物は身を守るために様々な手を使います・・・

 

まわりの様子に姿かたちを合わせたり、相手の誤認を誘うなどして外敵から身を守っているようです。そんな目で見回すと意外と身近に見つかることに気づきました。

 

ド派手な目玉模様のタテハモドキ

広げた羽根は派手な目玉模様。美しいというより何やら妖しげな毒々しさを感じます。
このチョウはもともと南方系で、1950年代後半に南九州に上陸し2000年代までに福岡県あたりまで北上してきたそうです。

チョウの天敵である鳥類は目玉模様(眼状紋)に対して極度の恐怖感をもつらしく、この模様で鳥類を威嚇する効果があるようです。

 

羽根をとじ始めたタテハモドキ

とじ始めた羽根を見ると、表側の目玉模様とちがって裏側は何だか地味な感じ。はて?

 

羽根をとじたタテハモドキ

羽根をとじてしまえばまるで枯れ葉そのもの。葉脈を思わせる模様もリアル過ぎます。

 

枯れ葉は秋の風物

このように羽根の裏側が枯れ葉模様をしているのは秋に見られる成虫(秋型成虫)だけだそうです。
夏の成虫では羽根の裏側も目玉模様で、羽根をとじても枯れ葉にはならないというからビックリ。

ちゃんと季節感もわきまえている。どこまで枯れ葉になりきろうとしているのか。「擬態」のこだわり恐るべし。

 

ウラナミシジミ

「擬態度」というか、レベル的には今一かも知れませんが、ウラナミシジミもそれなりに頑張っています。
後ろ羽根の先端部分を頭に見せかけているようです。黒い斑点状の目玉模様と、触角に見せかけた尾状突起がみごとです。

この目玉模様はタテハモドキの場合と意味合いが違います。外敵にこの模様を眼と誤認させ、相手の注意をそらせて本当の頭を守っていると思われます。

 

擬態の元祖? ナナフシ

生まれながらに木の小枝になりきって生活している変わった昆虫です。擬態の素朴さに好感がもてます。見つけにくいということはありますが、それほど珍しいものではないようです。

 

 はるか昔に・・・

進化論に基づく自然淘汰説で割り切るにはあまりに不思議なことばかり。神様のあそび心が加わっていると考える方が説得力があります。その昔、いたずら好きの神様がDNAをチョチョイのチョイと切り貼りして・・・。

 

 

 

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