よみがえる薬師寺東塔

      2020/03/24

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

 

 

平成21年(2009)から解体修理が行われていた国宝薬師寺東塔の工事がほぼ完了し、4月22日より落慶法要が行われる。

東塔は高さ34㍍の三重塔。裳階(もこし・飾り屋根)が付く優美で律動的な姿は「凍れる音楽」と称えられ多くの人を魅了してきた。

薬師寺で創建当時の1300年前から現存する唯一の古代木造建築の東塔は、修理前礎石が沈下し、中心を貫く心柱(しんばしら)は、虫害や腐食によって空洞化する悲惨な状況だった。

近い将来起きると予想される南海トラフ地震などを見据え、耐震化を伴う修理が急がれていた。

福高の修学旅行で初めて訪れて以来、度々足を運んでいるが、今後10年は素屋根に覆われ、その姿を拝むことはできないと知り、解体修理の工事に入る直前の2009年6月17日、妻と訪れた。気温30度、晴れて暑い日だった。

10年後の2020年1月30日、再び妻と2人、よみがえった美しい東塔を夫婦揃って元気に仰ぎ見、感無量であった。

新型コロナウィルスの影響か、中国人の姿はなく、境内は静寂に包まれて、諸仏、諸堂をゆっくり拝観できた。

東塔内陣特別公開が5月1日から令和3年1月17日まで行われる。

 

 

 

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