【011】筑前国一之宮 住吉神社

      2018/12/08

 

sachiko ichimaru 市丸 幸子

【011】

 



 

 

 

【011】筑前国一之宮 住吉神社/福岡県福岡市

 

 

筑前国一之宮 住吉神社は博多駅からほど近い都心にある。
住吉通りに面した南参道にある唐門をくぐると、クスノキやアラカシなどの深い樹林の中に小路が続き、繁みからは越冬するツグミやヒヨドリの声が聴こえてくる。変貌するビル街の中で、ここだけは変わりなく、広大な神域が厳かな雰囲気の中に鎮まっている。

鎌倉時代の博多を描いた「博多古図」によると、当時の住吉神社は博多湾(冷泉津)に面しており、そのため航海の安全や海上の守護神としても厚い崇敬を集めているのだそうだ。

 

現在の社殿は黒田長政公によって再建されたもの。本殿は、寺社建築最古の様式である「住吉造」で、屋根は切妻(きりづま)の直線形。柱・垂木(たるき)・破風板(はふいた)は丹塗り(にぬり)、板壁は白胡粉塗り(しろこふんぬり)で、朱と白のコントラストが美しい。25年ごとに式年遷宮が行われ、平成22年に御遷宮の儀が行われたのだそうだ。

ウィークデイではあったが、七五三参りの家族連れがチラホラ。じいじばあばの蕩けんばかりの笑顔が晩秋の境内を温かくしていた。
紅葉の季節には遅く、わずかに残る紅葉は、微かな風にも耐えきれず舞い落ちる。生命あるものは滅びゆく。でも・・・春はまた巡ってくるよね。

話は少しそれるが…
住吉神社といえば、九州場所前の横綱の土俵入り奉納が有名。下の写真は2017年のものだが、4横綱が揃っているところを見ると感慨深い。相撲協会にとって、2018年は何と目まぐるしい一年だったことだろう。九州場所13日目現在、この4人が誰もいないというのも寂しい限りだ。

◆横綱 白鳳 不知火型

いろいろと言われているが、顔が博多人形の相撲人形に似ているし・・・私は好き。大鵬さんが亡くなった時のコメントと泣き顔が忘れられない。

◆横綱 稀勢の里 雲竜型

2017年1月に横綱に昇進した稀勢の里が当神社で土俵入りを披露するのは初めて。

◆横綱 日馬富士 不知火型

この人のことを考えると残念の想いでいっぱいになる。まさかこれが最後の土俵入りになるとは思っていなかっただろう。モノをもって殴ったのは赦されないが、殴られた方にもそれなりの理由があったのでは…!? そのことを誰も問題にしないのは、片手落ちではないだろうか?

◆横綱 鶴竜 不知火型

ちょうど1年前に始まり、2018年の相撲界を激震させた「貴乃花騒動」って何だったんだろうと、いま改めて思う。元貴乃花親方は、何がしたかったのだろうか? いろんなものを壊しつくして何も創らず、どんなことがあっても最後まで離れなかったファンの期待さえ裏切って、あげく弟子たちを置き去りにして自分ひとり相撲界を去るって・・・!! 寛容とか人を赦すということ、人の意見に耳を傾けるということを、40数年の人生で学んでこなかったのだろうか。

 

 

 

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