灯籠流し

      2018/09/21

 

 

 koya tanaka 田中 功也

 

◆灯籠流し

 

 

 

 

 一昨年(2016年)7月に東京の母、11月に横浜の義兄を亡くした。昨年(2017年)は二人の新盆にあたり、7月中旬、家内と大阪から盆送りに出かけた。西日本や北関東以北などほとんどの地域では8月に月遅れの盆の行事を行うが、東京や南関東の都市部では7月に行われる。

 義兄の実家のある神奈川県横須賀市では、終戦翌年の昭和21年、戦没者の慰霊としてお盆の供物を麦わらなどで作った船に乗せて海や川に流す精霊流しが始まった。その後、灯籠流しに形を変えて今年で72回目を迎える伝統の行事となっている。

◆灯籠流し

◆灯籠流し

 

 明治38年の日本海海戦で歴史的勝利をおさめた戦艦三笠が記念艦として横須賀東海岸の三笠公園に固定されている。お盆の最終日7月16日の日中、新盆の遺族がおさめた白提灯が三笠の舷側近くに設えられた柵に幾重にもつるされる。横須賀が地盤の衆院議員小泉進次郎が挨拶し、横須賀中央仏教界(18寺院)の僧侶が読経。日が暮れようとする頃、市民団体の「横須賀流灯会」によって10隻の漁船に積んだ1300個の紙灯籠が公園前の海に流される。波静かな湾のそこここに灯をともされた灯籠が暗闇に次々に浮かびあがり徐々に広がっていく。公園や三笠艦上から多くの市民が海上に漂う灯籠の火を静かに見送る。灯籠流しは横須賀の夏の風物詩となっている。

◆三笠舷側の白提灯

◆戦艦三笠

◆三笠艦首

◆小泉進次郎

 

 

 

 

 

 

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