春のフランス花紀行⑤new

   

 

 

 フランスの旅も中盤に入った2011年5月9日の早朝、ホテルを出発。440km離れた南西部の町サルラへ向かう。晴天が続き、4時間の快適なバスの旅となる。

百年戦争で荒廃した城塞都市、1962年のマルロー法により景観が復元された。

 11時半、サルラに到着。ライムストーンの柔らかな感触と色合いの建物が建ち並び、町全体が建築博物館のように美しい。中世からルネサンス、17世紀の建物が混在して残る旧市街を散策。街並みには、これぞ古き良きヨーロッパという雰囲気が満ち溢れている。ペリゴール南部の中心地でグルメの里としても知られ、美味しい郷土料理が楽しめる。歴史ある旧市街が今も街として機能している。
 町は13~14世紀には商業の中心地として繁栄したが、1339年から1453年まで続いた百年戦争で建物は荒廃した。その後修復、増築したことにより独特の建物が生まれた。1962年、文化相アンドレ・マルローが提唱した「マルロー法」(歴史的町並み保存のための法律)適用第1号となり、見事に復元された。

サルラの旧市街:スライドショー(横:13枚、縦:3枚)

 町の中央を貫くレビュブリック通りの左右には、石畳の小道が迷路のように入り組んでいる。モンテーニュとの親交で知られる詩人ラ・ボエシの家や、繊細な装飾が施されたルネサンス様式の建物が街のそこここに見られる。

サルラの街:スライドショー(横:7枚、縦:2枚)

 サン・サセルド大聖堂は、16~17世紀の建造。街の至る所からその塔が見られる。内部のステンドグラスが素晴らしい。大聖堂の脇から続く通りは緩い上り坂で、何とも趣があり、共同墓地に建てられた「死者の角灯」の辺りまでそぞろ歩き。建物の壁に添ってピンクの薔薇の花が咲き乱れている。

◆サン・サセルド大聖堂内部

サン・サセルド大聖堂のステンドグラス:スライドショー(縦:6枚、横:2枚)

◆(左)大聖堂から「死者の角灯」に続く道、(右) 建物の壁に添って咲くバラの花

 市庁舎が建つ町の中心のリベルテ広場へ。毎週土曜日に開かれる朝市は、近隣の町から訪れる人々が広場を埋め尽くし、活気にあふれるという。リベルテ広場近くのガチョウ広場では、3羽のガチョウの像が観光客の人気を集めている。

◆(左、中) 三羽のガチョウの像、(右) ガチョウの像

 フォアグラの産地として有名で、街のあちこちにフォアグラの店やガチョウの絵、像がある。胡桃のオイルやチーズなども名産。フォアグラの缶詰を土産に求める。

◆フォアグラの店

 12時半、雰囲気のあるレストランで、赤ワインと名物料理に舌鼓を打ち、大西洋岸の町サンテ・ミリオンに向かう。

名物料理と赤ワインの昼食:スライドショー(横:4枚)

ボルドーワインの産地のひとつで、歴史地区はユネスコの世界遺産

 サルラから3時間バスで移動、4時にボルドー近郊の町サンテ・ミリオンに到着。ぶどう畑に囲まれた丘の上の小さな町。ぶどう畑の中をしばらく歩いて、シャトー・フランクメイン・ワイナリーへ。

◆ボルドー近郊の町サンテ・ミリオン

ぶどう畑を歩いてワイナリーへ:スライドショー(横:5枚)

 サンテ・ミリオンはボルドーワインの中でも、特に名高い銘柄。地平線まで続く緑のぶどう畑の中のワイナリーを巡り、赤ワインの試飲を楽しむ。それなりに美味しいのだが、買って帰ろうと思うほどではなく、期待外れ。欧米各地の数多くのワイナリーで試飲を重ねたが、残念ながらこれは!という美味しいワインに巡り合ったことがない。日本酒では、いくつかびっくりするほど美味しい新酒に出会った。まだ酒税を払っていないまさに出来立ての酒は、筆舌に尽くし難い美味しさだった。

ワイナリー内部とワインの試飲とぶどう畑:スライドショー(横:9枚)

 6時前から旧市街を散策。8世紀に、ブルターニュ出身の聖エミリオンが隠遁生活を送るために洞窟を掘ったのがこの町の始まり。聖エミリオンの死後、弟子たちが地下の石灰岩をくり抜いて造ったモノリス(一枚岩)教会、地下墓地、聖エミリオンの庵などがある。

◆モノリス教会

 モノリス教会のある丘の上から眺める家々の屋根や壁が茶色がかったグレー系に統一され、周りの景色にしっくり溶け込んで、何とも趣がある。

丘の上から見るサンテ・ミリオンの町:スライドショー(横:5枚)

 曲がりくねった細い石畳の路の両側には、ワインショップが並んでいる。サンテ・ミリオン地区のワイン400種類を揃える店もある。

◆(左)ワインショップ、(中、右) サンテ・ミリオンの街に咲く花

 ボルドーでのホテルでの夕食。前菜の生ハムが赤ワインに合って美味しく、満足。

◆(左) 夕食の前菜の生ハム、(右) 夕食のメインディッシュ

 旅の6日目の5月10日は、朝6時にホテルを出発。7時02分ボルドー発のTGVに乗る。国内4路線、1800kmをフランス国鉄が運行する高速鉄道。イギリス、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、スイスにも乗り入れている。2時間半のフランス新幹線の旅を楽しみ、9時38分、サン・ピエール・デ・コール着。バスに乗り換えてロワール地方の古城巡りへ。

ボルドー駅とTGV車内:スライドショー(横:5枚)

サン・ピエール・デ・コール駅:スライドショー(横:6枚)

- 春のフランス花紀行⑥へ続く -

 

 

 

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