「梅雨曇(つゆぐもり)」とは、梅雨時期のどんよりと雨雲に覆われた空模様を言う。一年中で雲量がもっとも多く鬱陶しい。梅天とも。そんな説明書きを書いているタイミングで、小金井市に住む学生時代の友人から、どんよりとした梅雨曇りの空の下、熱海海岸を散歩する「寛一お宮像」の写真がメールで届いた。
何という修羅場! 驚いて「尾崎紅葉・金色夜叉」のあらすじを調べたところ、何と昼メロ風の物語でさらにびっくり!! いくら"ダイヤモンドに目が眩んだ"お宮さんの裏切りが憎いとはいえ、一度は愛した人、大恩ある人の娘さんを下駄で蹴り倒すことはないじゃない?! 許しを請うているのだから……。その後高利貸しに転じたという身の処し方といい、未来永劫"月を曇らせる”とか何とか、ぐちぐちと恨みごとを繰り返す性格といい、貫一クンのこうした人間性が、お宮さんの心変わりを生んだのではないだろうか?
※文豪尾崎紅葉に対し、ナマ言ってすみません。