梅はサクラ属バラ科の落葉小高木で、原産は中国。早春の寒さが残る中、百花にさきがけて五弁の花をつけることから、「花の兄」「春告草」とも呼ばれ、その気品ある清楚な姿は、古くから日本人に愛され、多くの詩歌に詠まれてきた。
《 東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ 菅原道真 》
◎ひとくちメモ…紅梅と白梅の違い
紅梅と白梅は、何をもって区別されているのか? それは花の色ではありません。 木の幹を切って、その断面が赤いか白いかによって区別されているのだそうです。つまり、紅梅の断面は淡い紅色をしており、白梅の断面は白っぽい色をしているのだそう。ほとんど知られていない、意外な事実ですね。
新元号「令和」誕生に深くかかわった万葉集の梅の歌
天平2年 (730年)正月13日、万葉歌人で大宰府長官だった大伴旅人が自邸で観梅の宴を開催。邸内には当時まだ珍しかった梅園があり、参会者が詠んだ32首の梅の歌が万葉集に収録されています。そのとき旅人が書いた序文「時に、初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披き…」の言葉から、新元号「令和」の二文字が取られました。※編集部