新日本歳時記/寿禄会版・睡蓮new

   

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◎今日の一枚/モネが愛した東洋の美――睡蓮

 

 睡蓮というと、フランス印象派の画家クロード・モネが描いた睡蓮の絵が有名です。モネは理想の創作環境をつくるため、自宅に日本風の庭園をつくり、敷地内を流れる小川を利用して睡蓮を浮かべた大きな池を造成。外界とは隔された夢のような世界に隠遁して、あの有名な「睡蓮」の連作に没頭したのだそうです。

 睡蓮に似た花に蓮の花がありますが、睡蓮はスイレン科スイレン属の浮葉(ふよう)性植物、蓮はハス科ハス属で、水面から葉を立ち上がらせる挺水(ていすい)植物で、まったく別の植物です。二つの見分け方は、睡蓮の花が水面に浮かんでいるように咲くのに対し、蓮は水面から1メートル以上高くまで花茎を伸ばし、高いところで花を咲かせるのが特徴。福岡城跡のお濠(明治通り沿い1~3号濠)では、清らかな蓮の花がまもなく見ごろを迎えます。【編集部】

◆福岡城址・上之橋御門跡付近のお濠に咲く「蓮の花」

撮影者

田中功也
 猛暑が続く7月8日、午前9時過ぎの公園もすでにかなりの暑さ。犬を連れた痩せた白髪の老人、帽子も被らず、日傘もささず、とぼとぼ歩いている。他人ごとながら熱中症が心配になる。
 池の隅に熱帯性の睡蓮が白やピンクのきれいな花を咲かせ、吹く風とともに涼を運んでくる。睡蓮は多年生の水草。地下茎から長い葉柄を伸ばし、水面に浮水葉を浮かべる。花色は白、黃、赤、紫。スイレン属は世界には50種ほどあるが、日本にはただ1種ヒツジグサ(未草)のみが自生する。

撮影日

2024年7月8日

撮影場所

大阪府和泉市

 

 

 

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