新日本歳時記/寿禄会版・ひな人形

      2023/07/29

◎今日の一枚/ひな飾り

 桃の節句3月3日は、女の子の健やかな成長を願うお祭り。ひな人形を飾り、白酒や雛あられをふるまって祝います。
 ひな壇飾りは平安貴族の婚礼の様子を表したもので、古の婚礼は夜に行われたため、ひな壇飾りには雪洞の灯りをともします。新郎新婦である内裏雛、そのお世話をする官女や護衛の随身、宴を盛り上げる五人囃子、豪華な嫁入り道具などが揃ったものが標準的なひな壇飾りです。

【ひな人形の飾り方】

 撮影された雛飾りとは細部が異なりますが、一般的な七段飾りの場合を紹介します。

一段目

内裏雛のカップル、男雛(おびな)を右(向かって左側)に、女雛(めびな)を左(向かって右側)に飾ります。※京都式は逆

二段目

三人官女を並べます。一人だけ座っている官女がいる場合は、座姿の官女を中央に置き、両側の官女が立つ配置にします。三人官女の間には高坏(たかつき)を置き、お餅などを飾ります。

三段目

五人囃子を並べます。並べ方は向かって左から太鼓、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓(こつづみ)、横笛と並べ、右端には扇を持つ謡い手を並べます。

四段目

四段目には、随身(ずいじん)の一対。随身とは御所の警護に当たる武官のことで、年配の黒い武官束帯姿の随身を向かって右に、緋色の武官束帯姿の若者を向かって左に並べます。

五段目

御所の雑用を司る仕丁(しちょう)の3人を並べます。ひな飾りの中では唯一庶民出身の白衣を着た3人組です。仕丁の左右には、向かって左に右近の橘(うこんのたちばな)、向かって右に左近の桜(さこんのさくら)を飾ります。

六段目

上級武家の婚礼道具になぞらえた雛道具を飾ります。箪笥、長持、挟箱(はさみばこ)、鏡台、針箱、火鉢、衣裳袋、茶の湯道具など、格式の高い武家で使われていた豪華な室内用品です。

七段目

中央に重箱を置き、左右に御駕篭(おかご)と御所車(ごしょぐるま)を配します。

撮影者

田中 功也
 2月18日午後、古代史講座「正倉院文書の世界」が終わって、会場の堺市泉ヶ丘のビッグアイを出ようとしたとき、ロビーの一角にひな人形が飾られていて思わず見いってしまった。
春の暖かさになるとの予報が出ていたが、風は冷たく、反省会の熱燗がひとしお美味しく感じられた。

撮影日

2023年2月18日

撮影場所

大阪府堺市

 

 

 

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